いよいよ目前に迫った『リオ五輪』について、スイスに拠点をおくスポーツ・ジャーナリストの国際的組織『AIPS(国際スポーツ記者協会=Association Internationale de la Presse Sportive)』に、中国人ジャーナリストから被害報告が入ったもようだ。超プロ窃盗団を多数抱えているブラジルのリオでは、高価な撮影機材、極秘の情報が満載というパソコン、データ、周辺機器など多数を持ち込む各国の報道陣たちこそがターゲットであるのかもしれない。
『リオ五輪』に関し、ジカ熱ばかりか窃盗被害を懸念する声が世界各国からあがっているなか、早くも選手村で豪・選手団がパソコンやチームTシャツを盗まれた事件が大きく伝えられている。ボヤ騒ぎに乗じてTシャツを持ち出した疑いがもたれているのはなんと3名の消防署員。現地はまさに「誰も信じられない」状態なのだ。しかし警戒すべきは選手団ばかりではない。報道陣も細心の注意を払うよう『AIPS(国際スポーツ記者協会)』は警告している。
事件はリオのホテルで先月25日深夜に起きた。110mハードルの中国の選手、史冬鵬(Shi Dongpeng)さんが1人の若手カメラマンを伴って10時半ごろリオ入りし、2人でホテルにチェックインしようとしたところ、ひどく酔った男が史さんに急接近していきなり嘔吐をした。衣服や所持品を汚された史さんがトイレに急いだ一方、カメラマンは荷物を置いたままその酔っ払いを捕まえようとダッシュした。カメラマンが戻ると何より大事な撮影機材のすべてが盗まれていた。ほんの数分間の犯行だったという。
監視カメラの映像からその窃盗行為は2人組が巧みに仕組んで行ったものと判断され、史さんらは深夜2時ごろに被害届を出すため地元警察に向かった。しかしそのような時間帯にもかかわらず、警察署内は銃をつきつけられて車を盗まれるなど様々な被害を訴える人々で溢れかえっていたそうだ。
各国からの選手や関係者が絶えず出たり入ったりする選手村。初対面の者同士という1万人以上の人間がともに過ごすとあって窃盗事件はもともと想定の範囲であるが、そこは超プロ級の窃盗団が存在するブラジルである。空港に降り立った瞬間から至る所で狙われているという意識が必要であるようだ。なお、民間の警備員はもちろんのこと、38,000名の兵士、47,000名の警察官を投入するなど、リオの五輪開催に関しては政府も例をみないほど警備に力を入れているという。
出典:http://www.aipsmedia.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)