ブラジル・リオデジャネイロオリンピックにて陸上男子400メートルで見事金メダル獲得、さらに17年ぶりに世界記録を更新した南アフリカのウェイド・バンニーキルク選手。試合直後はジャマイカのウサイン・ボルト選手もフィールドに駆けつけて祝福する光景が見られた。
南アフリカ・ケープタウン出身で24歳のウェイド・バンニーキルク選手は8月14日、陸上男子400メートル決勝に出場。1999年にアメリカのマイケル・ジョンソン選手が樹立した43.18秒を上回る43.03秒という世界記録をたたき出して金メダルを獲得した。
世界が注目している彼のコーチは、74歳のナミビア人女性アンス・ボエタ(Ans Botha)さんで「タニー・アンス(アフリカーンス語で“アンスおばさん”)」と呼ばれている。1968年からコーチをしているベテランで、出会いはボエタコーチがフリーステイト州陸上選手選抜委員であった2012年10月、バンニーキルク選手がボエタコーチのチームに入りたいと申し出たことからだった。バンニーキルク選手は高校時代から走り高跳びの選手になりたかったそうだが、ボエタコーチはランナーとしての彼の資質に気付く。「入念なトレーニングで彼は世界レベルのアスリートになる」と目をつけたボエタコーチ、その特訓の成果もあり2015年の世界陸上北京大会男子400mでは優勝、今回のオリンピックでは世界記録更新という偉業を成し遂げた。
バンニーキルク選手と50歳違いの師弟関係は強い。バンニーキルク選手によると、ボエタコーチは「厳格で、5分前に集合しても遅刻になる」ほど厳しいそうだが、同時にまるで息子のような目で見ている一面もあるそうだ。
メディアに対してボエタコーチは、「金メダルを獲得しても常に謙虚に、浮かれないようにしてもらいたい」とバンニーキルク選手へアドバイスを送った。ボエタコーチにとっても“金メダリストのコーチ”という箔がついたが、まだまだコーチ業を引退するつもりはないと意欲を見せている。
ちなみにバンニーキルク選手の母親も元アスリートで、当時の母親の走るフォームがバンニーキルク選手と似ていると言われている。さらにバンニーキルク選手のいとこは今回のオリンピックの7人制ラグビー男子で南アフリカ選手として出場、銅メダルを獲得しており明らかにスポーツに強い家系であろう。
出典:http://www.sport24.co.za
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)