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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】「普通の人と同じように接してほしい」13年間ヴァンパイアとして生きる男性(英)

ヴァンパイアといえば、鋭い牙に黒いマントでしたたり落ちる血を吸う…そんなイメージが映画やドラマでお馴染みだろう。ところがこれはあくまでもステレオタイプだそうだ。“本物”だと名乗るヴァンパイアはそうした型にハマらない人が多く、イギリスでは15,000人ほどの“本物”のヴァンパイアが実在すると言われている。

ヴァンパイアに血を与えるサポート団体に属する支援者の数は、実際のヴァンパイアの人数の2倍にもなるというイギリス。数字だけを見ると、ヴァンパイアの存在は認められているようにも思える。しかし社会の偏見や差別、時に苛めは酷く、周りに公言してもヴァンパイアとして普段生きていくことは難しいと1人の男性が英ランカシャー州のメディア『Lancashire Telegraph』に心境を語った。

ランカシャー州のブラックバーンに住む「Darkness Vlad Tepes」さんは、数年前にこの名前に変更した。ヴァンパイアとして目覚めたのは10代の頃。犬の散歩の途中、ゾンビの格好をしていた10代の少女たちに出くわし、恐怖で家に逃げ帰ったダークネスさんだったが、何故か興味をそそられた。そこで後日、少女たちに話しかけると自然と打ち解けた。それ以降、ゾンビやヴァンパイアの生活に興味を持つようになったダークネスさんは、もう13年間自称“ヴァンパイア”として暮らしているという。

ダークネスさんはマントも羽織らず牙もつけていないが、カスタマイズした棺桶で寝起きしている。映画のようにガーリックや日光が苦手ではなく、むしろ光の中を歩くことで幸せを感じるという。ガーリックも怖がらず普通に食べる。そしてヴァンパイアらしく、ダークネスさんは豚や牛、時に人の血を飲んで生きている。

母親のシルビアさんはあくまでも息子をサポートする姿勢を見せているそうだ。しかしダークネスさんは13年間自分らしさを受け入れてもらえない社会の厳しさを目の当たりにしてきたという。

周りに馬鹿にされ、からかわれたり苛められたりといった人生がほとほと嫌になっているというダークネスさん。「周りの人は、彼らにとって普通なことは僕たちにとって普通じゃなく、またその逆も然りだということを理解してほしい。それでも、他の人と同じように偏見を持たずに接してほしい」と訴えている。

またダークネスさんは、人の中傷や批判が時に命に関わる暴力を起こすことがあると話す。実際に2007年に起きたソフィー・ランカスターさんの事件は「ゴシックファッションをしていたため」に受けた暴行がきっかけとなり命を落とすというものであった。

ヴァンパイアになり切る人でこうしたゴスファッションをする人も多く、ダークネスさんは社会の偏見や批判を懸念している。棺桶で寝ようが、血を飲もうが、自分は自分なのだという自信を持って生きることがヴァンパイアにとっては難しいと話す。

米アイダホ州の社会学研究をしている専門家は、「吸血鬼と名乗る人たちのライフスタイルは受け入れるべきだ」と個人の生き方をリスペクトすることを主張。結果として誰に迷惑をかけているのでもなければ、吸血鬼であろうがなかろうが、批判するべきではないといったところなのかも知れない。

出典:http://www.lancashiretelegraph.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)