花嫁にとって、ウエディング当日は人生で最も特別な日。愛する家族に見守られながら、新たな旅立ちを迎えた米ペンシルベニア州在住のジェニさん(33歳)にとっても、一生忘れられない日になった。というのも、この日は「亡き父」と共に過ごすことができた記念すべき日だからだ。
10年前に父マイケルさんを亡くしたジェニさん。マイケルさんは強盗被害に遭い、帰らぬ人となってしまったのだ。そのマイケルさんの心臓を移植された男性が、ジェニさんのウエディングに参列。ジェニさんのたっての希望でヴァージンロードを歩くという大役を任された。
16年間心臓移植を待っていたアーサー・トーマスさんは、10年前にマイケルさんの心臓を得て文字通り新たな命を授かった。以降、ジェニさん家族と交流しながら今日まで過ごして来た。そして今回、ジェニさんから結婚式でヴァージンロードを一緒に歩いてほしいと聞かされたアーサーさんだが、ひとまず自分の娘に報告。アーサーさんの娘も二つ返事で快く承諾し、ジェニさんの父親代わりとして出席することとなった。
結婚式当日に姿を見せたアーサーさんに、ジェニさんは涙ぐみながら感謝の気持ちを述べた。アーサーさんに促されジェニさんはアーサーさんの脈を触り、胸に手を当てた。
「父は生きているわ!」
愛する亡き父の心臓の音がアーサーさんから伝わってきた瞬間、胸が詰まったとジェニさんはその喜びを『CBS Pittsburgh』のインタビューで語っている。
「マイケルさんの心臓をもらわなければ、私は救われなかった」と話すアーサーさん。恩人の娘ジェニさんの挙式に参列できたことは何よりの幸せであり、まるで自分の娘を見ているようだったと感激の気持ちを述べた。
「父とヴァージンロードを歩く」という夢が叶ったジェニさんは「これで家族が一つになった気がします」と語り、ジェニさんの姉ミッシェルさんも「アーサーさんがそばにいると、父が戻って来てくれたような感じがする」と述べ、亡き父マイケルさんとの強い絆をうかがわせた。
ウエディングという特別な日が、人生で最高の一日となったジェニさんの姿を、きっとマイケルさんも見守っているに違いない。
出典:http://www.huffingtonpost.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)