トラックの運転手であれば、取引先から預かった貨物内の商品に触れることは可能なのかもしれない。だが職業人としての誇り、責任感、そして良心や理性がある限り、彼らは“コソ泥”という卑怯な悪事に手を染めることはしない。ところがこのほど米フロリダ州では…。
信頼のもと大変な量の商品を託されてきたはずが、その会社のトラック運転手たちは結託して高価な商品を少しずつ盗み続けていた。窃盗の被害にあったのは、フロリダ州ブロワード郡のディアフィールドビーチに大型配送センターを持つスーパーマーケットチェーンの「Publix」。被害総額は3,532ドル(約36万円)であるという。
この事件で逮捕・起訴されたのは「Florida Beauty」という運送会社に勤めていたジョルジ・ゴンザレス(60)、ジェラルド・カンシオ=クインテロ(44)、ワイルド・ドミンゲス=ヴァルデラマ(43)、およびジョルジ・ディアス(44)という4人の運転手。Publixの倉庫からセミトレーラーでフロリダ州南部の各店舗に商品を配達する日々の中、ロブスター、エビ、リブ肉ほかグルメな商品を抜き取っていた。本人たちは食べたとしているが、第三者に売りさばいていた可能性もありそうだ。
運送途中で何者かに開けられることを避けるため、Publixの倉庫では出荷の際、番号付きのセキュリティシールをセミトレーラーの貨物室の扉に貼ってから送り出していた。しかし最近そのシールがはがされた状態で配送先に届く様子がみられ、食品が減っていることを2名の警備員が不審に思い、まずはポンパノビーチのファーマーズマーケットに向かったジェラルド・カンシオ=クインテロのトラックを追跡。ジェラルドとほかの3人が合流する様子を捉え、撮影された動画からは彼らがトレーラーの扉のシールを次々とはがしては貨物室に忍び込み、いくつかのボックスを運転台に移す様子が確認されている。
セキュリティシールが“何者かに開けられる”という困った事態。そのシールをはがすことが許されるのはPublixの社員だけであるにもかかわらず、その自覚が欠如していたのか4人の犯行は堂々たるものであった。運送会社の「Florida Beauty」も取引先の信頼を大きく失ったに違いない。マイケル・デイヴィス判事はそれぞれに2千ドルの保釈保証金を設定したが、全員がそれを支払いすでに保釈となっているという。
出典:http://www.sun-sentinel.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)