ドイツ・フランクフルトの南東に位置するバイエルン州のヴュルツブルク。ここを走るローカル線の列車の中で、難民の少年が斧で乗客に深刻な危害を加えた。英メディア『mirror.co.uk』などが伝えている。
ヴュルツブルクで18日夜9時ごろ、トロイヒトリンゲンを出発して北上中であったドイツ鉄道(ドイチェ・バーン)の列車内で難民の少年が斧を振り回すという悲惨な流血事件が起きた。列車は「ヴュルツブルク中央駅」まであと4kmほどというハイディングスフェルトで停車しており、通報を受けて武装した警察が列車を包囲。逃走しようとした少年を射殺した。
現地テレビ局の最新の発表によれば、負傷者は18名。うち3名が命にかかわる深刻な状況であるという。またバイエルン州内務大臣のヨアヒム・ヘルマン氏は「少年は17歳。昨年アフガン難民として入国し、現場の南に位置するオクゼンフルトで里親家族と暮らしていたもよう。犯行の動機についてはいまだ調査中」と述べている。ただし、目撃者の話によれば「アラー・アクバル(神は偉大だ)!」と叫びながら犯行におよんでいたという。
事前の情報が非常に乏しいため、最近のテロ事件において最も警戒されているのが「ローンウルフ(一匹狼)」による犯行。少年もまた、イスラム過激派組織の影響を受けた一匹狼であったとみられている。すでに100万人以上の難民を受け入れているドイツだけに、この事件は恩を仇で返したようなもの。難民受け入れに難色を示してきた国民はさらにデモの規模を拡大させる可能性もあるが、教育や就労など山積みする問題と慣れない環境の中、難民が不安や苛立ちと闘う日々を過ごしていることも事実である。
ヴュルツブルクはいわゆる「ロマンチック街道」のルートに入っており、ヴュルツブルク司教館(レジデンツ)やマリエンベルク要塞など見どころも多く、小さい町ながら大勢の観光客が訪れる。日本人観光客の多くがロマンチック街道についてはバスを利用すると言われるが鉄道ファンも健在。バックパッカーなどは割引切符のバイエルンチケットなどを利用して、ドイツ鉄道(ドイチェ・バーン)のゆっくりとした旅を楽しむことが多い。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)