ゾウの背中に乗って高い位置からの視界を楽しみながらゆったりと進むタイで人気のアドベンチャーツアー「エレファント・ライド」。穏やかで従順な性格ゆえに選ばれ、観光客のために生涯を捧げることになるゾウも多い。1か月ほど前、ある1頭がこれ以上は無理というところまで消耗して引退に至っていたが…。
60代にして、やっと「エレファント・ライド」から引退を許されていたメスのゾウ“サオノイ(Sao Noi)”。これからは何のストレスも不安もなく、保護区で穏やかに生きて行ってほしいと誰もが願ったものの、それからわずか1か月という今月6日、静かに息を引き取っていたことを動物愛護団体の『thedodo.com』が伝えた。
60年もの歳月、観光客を背中に乗せて歩くことだけに専念してきたサオノイ。誰からも愛されたその明るい性格で保護区のほかのゾウたちにもあっという間に溶け込み、楽しそうな様子も見えたが体調はどんどん崩れていった。サオノイの亡骸は森の奥深くに埋葬され、大好きだった果物と花がたくさん供えられたという。
「ブーンロッツ・ゾウ保護区(Boon Lott’s Elephant Sanctuary)」の職員らはFacebookを通じ、酷使された影響で骨と皮ばかりに痩せ、消耗しきってから引退が決まったサオノイの哀れな生涯を嘆き、エレファント・ライドがいかにゾウにストレスを与え、寿命を縮めているか深く考えるべきだと人々に訴えている。
出典:http://mashable.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)