バルセロナのFW、リオネル・メッシ選手がアルゼンチン代表としての引退を示唆したことが大きく伝えられた中、なんと彼の脱税容疑に有罪判決が下ったことをスペイン紙『エル・パイス(El País)』ほか複数のメディアが伝えている。
6月26日の「コパ・アメリカ センテナリオ USA 2016」決勝戦でチリ代表に敗れたアルゼンチン代表。その直後、メッシに引退をうかがわせる発言があったことから身辺はとても騒がしくなっていた。だが彼は別の苦悩も抱えていた。それは脱税容疑。世界の富豪と同様にパナマ文書問題をきっかけに発覚していた。その裁判がスペイン・バルセロナの地方裁判所でこのほど結審し、メッシ被告が有罪につき禁錮21か月を命じられたほか、深く関与していた父親のホルヘ・オラシオ・メッシ(Jorge Horacio Messi)被告にも同じ内容の判決が言い渡されたという。
タックスヘイブン(租税回避地)に企業を設立してはマネーロンダリングを行うなど、複雑な手口で約416万ユーロ(約4.55億円)を脱税していたことが明らかになったメッシ被告。パナマにダミー会社の「メガスター・エンタープライゼズ」を所有していたほか、ベリーズ(中央アメリカ)、ウルグアイにも会社を設けて脱税を図っていたという。その金額はサバデル銀行、ダノン、アディダス、ペプシコーラ、プロクター・アンド・ギャンブルなど多数の企業とCM契約を結ぶなど、人気絶好調の2007~2009年に肖像権などで上げた収入の一部とみられている。
なお、法廷で弁護士は幾度も「被告はサッカーに専念してきたため財務関係にはうとく、複雑な金融取引の知識などない」と繰り返したが、検察側はメッシ被告もその脱税の仕組みは十分に理解していたものとみて強気で攻めていたという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)