悲劇的な事故により、愛する息子を2歳という可愛い盛りで亡くしていたその女性。これまで静かだったその事故現場が、ゲームアプリ「ポケモンGO」のいわゆる“ポケストップ”に登録されたことにより、突然騒々しくなってしまったと嘆いている。
カナダ・オンタリオ州のジェニー・ラティマーさん。彼女の息子ケビン・ジェームズ・ラティマー君は2歳であった2004年、建物の3階の窓から転落して亡くなっていた。深い悲しみで心底うちひしがれていたジェニーさん。無念の死を遂げた息子への哀悼と、2度と同じような事故が起きないようにとの祈りを込め、ファミリーは現場にメモリアルプラーク(慰霊のプレート)を設置していた。
それから約10年、最近になっていきなりその場所が大勢の人々で騒々しくなってしまったことをトロントのメディア『thestar.com』が伝えている。当初は何が起きているのかまるでわからなかったジェニーさんであったが、そこが「ポケモンGO」の“ポケストップ”に登録されていることを家族のアレン・ハリントンさんが突き止め、集まってくるのは情報を聞きつけたプレイヤーであることがわかったというのだ。
アレンさんはスマホがケビン君のメモリアルプラークを捉えると同時に、超レアなキャラクターの姿が現れることを確認した。日本ではピカチュウと並んで“会いたくて震える”とも表現される1匹である。その事実を知ったジェニーさんは今、「息子の魂に対する敬意も何もあったものではないわね」と言い悔しそうに肩を落としている。息子も生きていればこれくらいの年齢、そんな少年たちが連日のように押し寄せる様子を見るのも「辛くない」といえば嘘になるであろう。
前方不注意につき立ち木に激突する事故、軍事施設など立ち入り禁止区域への侵入事件、他人の所有地に不法侵入したことによる発砲事件など「危険」な事件・事故の話題ばかりが報じられているが、続いてはこの“当人の事情などお構いなしのポケストップ登録”が発端となり、数々のトラブルや事件が生じるのではないかと筆者は懸念している。
出典:https://www.thestar.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)