ニューヨーク屈指の5つ星老舗ホテル「ウォルドルフ=アストリア」。しかしすでに中国企業に買収されており、現在の所有者はこれに手を加えて分譲マンションにする計画があるもよう。ウォルドルフの輝かしい歴史を知る人々の間から落胆の声が漏れている。
名門中の名門として世界から愛されてきた、NYマンハッタンのパークアベニューに位置する「ウォルドルフ=アストリア(The Waldorf-Astoria)」。この5つ星ホテルは2014年、中国・北京が本拠地の「安邦保険集団(Anbang Insurance Group)」がそれまでの所有者であった「ヒルトン・ワールドワイド」から19億5000万ドルで買収していた。米国市民は「まさかのウォルドルフ=アストリアまで爆買いの被害に」と嘆き、欧米の人々は事情を知って宿泊を敬遠する傾向にあるもよう。そんなウォルドルフの今後について、さらに気になる情報が飛び出した。
『bloomberg.com』は安邦保険集団の職員から匿名を条件にEメールで情報を得たとしており、それによれば「また細かい部分は決定していない」とするものの、ホテルは2017年の春にいったん休業し、3年ほどかけて全面改修が行われるもよう。完了すれば床面積の3分の2がラグジュアリータイプの分譲マンションとして売却され、現在ある1380の客室は300~500まで減るであろうという。
1893年の創業以来、世界各国の超VIPやセレブの宿泊はもちろん、アイゼンハワー大統領やフーヴァー大統領、マッカーサー元帥やマリリン・モンローが居住のため使用し、各国政府の首脳会談にも利用されてきたウォルドルフ。ここはいずれ、中国人の大富豪やリッチな観光客ばかりとなってしまうのであろうか。ちなみにヒルトン・ワールドワイドは最近、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに「ウォルドルフ=アストリア/ドバイ・インターナショナル・フィナンシャルセンター」を建設することを発表し、そのプロジェクトを成功させようと躍起になっている。
出典:http://www.bloomberg.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)