海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】6日からのラマダンは金曜日が危ない ISほかイスラム過激派組織に警戒を

一時ほどの勢いを失った様子が伝えられているものの、またいつ、どこで多数の犠牲者が出るテロ事件が発生するかわからないため、世界の人々にとって相変わらず恐怖の存在である「イスラム国(IS)」。彼らが“この時こそテロを”と考えるラマダンが今年もまた迫っている。日本の外務省・海外安全ホームページにおける注意喚起の内容とともに、その危険性についてお伝えしたい。

過激派組織「イスラム国(ISIS・ISIL・Islamic State・ダーイッシュ 以下IS)」が先月下旬、世界に散らばっている分子に対し「ラマダン(断食月)の期間中に欧米諸国でテロ事件を起こそう」とインターネットを通じて呼びかけた。今年のラマダンは6月6日頃から7月5日頃と言われ、ターゲットであると名指しされたような都市は特にセキュリティを最高レベルに強化すべきであるようだ。

これまで少なくとも90件ものテロ事件を起こし、大変な数の死傷者を出し、非イスラム教徒を誘拐しては残虐に処刑してきたIS。いち国家として樹立を高らかに宣言して2年が過ぎようとしており、米主導の有志連合やロシアの空爆により確実に勢力を弱めていることが伝えられるものの、彼らに邪悪な闘志がある以上は決して侮れない。日本の外務省・海外安全ホームページは5月30日、ラマダン期間中についてフランスほか海外への渡航者や長期滞在者にとっては気になる注意喚起を2件発表した。その概要は以下の通りである。

■イスラム過激派組織によるラマダン期間中のテロを呼びかける声明の発出に伴う注意喚起

ISは昨年のラマダン期間においても同様の声明を放ち、6月26日にはチュニジア・スースのリゾートホテルと隣接のビーチで武装集団による襲撃事件が発生し、観光客38人が殺害された。ISに限らず様々なイスラム過激派組織に対するテロ対策と警戒が必要であり、いわゆる一匹狼(ローンウルフ)型のテロの発生も懸念される。

■フランス:サッカー欧州選手権等イベント開催に伴うテロの脅威に関する注意喚起

昨年11月に発生した「パリ同時多発テロ事件」では、サッカー試合中の国立競技場も標的となった。現在も警戒態勢が敷かれているが、ISやAQIM(イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ)などによるテロの脅威は依然として極めて高いレベルにある。6月10日~7月10日には「サッカー欧州選手権・ユーロ2016」が開催されるが、今年3月22日にベルギー・ブリュッセルの空港等で発生した爆弾テロ事件は、当初はこの大会で実行する計画であったことが報じられている。また7月2日~24日には「ツール・ド・フランス」が開催されるため、緊急事態宣言は2か月間の延長となり7月26日までとなった。

なおチュニジア・スースのテロ(ビーチ・リゾート襲撃事件)が6月26日の金曜日に起きたように、イスラム教での「集団礼拝の日」である金曜日(2016年のラマダンでは6月10日、17日、24日、7月1日)にテロが起きやすいとの傾向も指摘されている。以下はラマダン期間中に世界で起きたテロ事件である。

・フランス:東部リヨンにおけるテロ事件(6月26日)
・クウェート:シーア派モスクにおける自爆テロ事件(6月26日)
・エジプト:カイロ郊外における検事総長殺害テロ事件(6月29日)
・マリ:北部における国連車列襲撃テロ事件(7月2日)
・ナイジェリア:北部及び中部での連続爆弾テロ事件(7月5日~7日)
・エジプト:カイロ市内のイタリア総領事館前での爆弾テロ事件(7月11日)

出典:http://www.express.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)