中国で毎年6月に行われる恒例の「犬肉祭」。動物愛護団体からの激しい非難を浴びる中、今月21日から10日間の予定で開催されている。
中国南部の広西チワン族自治区玉林市で21日から始まった「犬肉祭」。動物愛護団体が残酷な殺害方法などに抗議し、1100万人の署名を集めて中国当局に提出するなど開催前から大きな注目を浴びてきた。米俳優のマット・デイモンやホアキン・フェニックス、カナダ出身のモデルのパメラ・アンダーソン、米女優ケイト・マーラ、豪歌手シーアなどといった著名人らも「話すことができないもののために我々が声をあげる」と抗議ビデオを作成。「残酷な行いをやめよ。叩くのをやめよ。焼くのをやめよ。つるすのをやめよ。生きたまま皮を剥ぐのをやめよ」と訴えていた。
高まる批判に対して玉林市政府は一部のマーケットや屠殺場を閉鎖、政府関係者の祭りへの参加を禁止するなど規模を縮小する対策を迫られた。また客の前で犬を殺して処理することを禁止し、店先の看板から“犬”の文字を隠すよう促すなどその指示は細部にまで及んだ。
それでも祭り自体が中止されることはなく、21日に決行。しかし今年は例年に比べ客足は低調とのことで、開催2日目にしてレストランなどから悲鳴があがっている。
『新華社通信』では「今年の売り上げは良くないよ。以前は一日に30頭は売れたのに、今年は5頭がやっと」と玉林市のある肉屋の言葉を紹介したほか、インタビューに応じた多くの常連客が「道徳的、心理的プレッシャーを感じるため購入を控えている」と述べたという。
政府は祭りには一切関わりがないとしながらも、警察官がパトロールを強化し犬肉を購入する人々に対して目を光らせているもよう。13頭の犬肉を購入したある女性は「10人の警察官に4時間も様々な質問を受けました」と明かしている。写真撮影は禁じられており、撮った者はその場で画像消去を求められ、今後マーケットへの立ち入りを禁じられるそうだ。
今年の「犬肉祭」は、国内外からかつてないほどの厳しい目にさらされている。
出典:http://shanghaiist.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)