パキスタンでまたしても許し難い殺人事件が起きた。村の長老などと呼ばれる男らが集まり、ひとりの少女を生きたまま焼き殺したのである。少女がしたことはそんなに悪いことだったのか。母親もその“処刑”を認めたとして波紋を広げている。

少女が村の男たちにより焼き殺されるという陰惨な事件が起きたのは、イスラマバードから50kmほど北東に位置するマコル・ベラという村。そこに暮らす女性がある男性と駆け落ちをしたが、その手助けをしたアンブリーンさんという16歳の少女に村の長老たちは激怒。先月28日にアンブリーンさんを連れ去り、鎮静剤を打ってから両手を縛るとカップルが駆け落ちに使用したバンに閉じ込め、ガソリンを撒いてから車ごと火をつけたという。

この事件についてペシャーワルの警察は今月5日、村の長老たちと呼ばれる15名の男を殺人容疑で逮捕したと発表した。目隠しをされた姿で数名ずつ手錠や鎖でつながれ、警察署に連行される男たち。しかし彼らは「家族が認めない結婚を助けるなど言語道断。村の名誉を著しく傷つけた少女に対し、イスラーム法基づく名誉殺人を行った」と主張しているもようだ。

また長老たちからそのむごたらしい処刑を提案され、同意したことから、驚くことに少女の母親と兄も逮捕されている。だがパキスタンでは田舎になればなるほど村の長老たちが強い権限と発言力を持っていることから、母親や兄が同意した裏には彼らの脅迫があった可能性も否定できない。

出典：http://www.nbcnews.com
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）