フランス語を学んだのは高校の1年間だけ、しかも「ボンジュール」しか話せない。そんな教師がアメリカの高校でフランス語を教えていたとして、このたび解雇された。『khou.com』など複数のメディアが報じている。
米テキサス州・ヒューストン独立学区(HISD)にある「エナジー・インスティチュート・ハイスクール(Energy Institute High School)」でフランス語を教えていたのはアルバート・モイヤー氏。彼は“フランス語教師なのにフランス語が話せない”という理由でクレームが相次ぎ、解雇となった。
この高校ではジーン・シーアス教員が25年にわたってフランス語を教えていたが昨年12月、学校側と揉め事を起こしてHISD内の他校に異動させられていた。モイヤー氏はシーアス氏の後任として配属され、フランス語教師としてこの学校に5か月間も勤務した。モイヤー氏の授業を受けていたナタニエル・ホワイトさんによると「質問をしても答えが返ってくることはありませんでした。授業のほとんどはGoogle翻訳を使っての自習でした」と証言している。
だがモイヤー氏は今回の解雇に対し、自身のブログにて次のように反論した。
「私は科学の教員免許を持っているれっきとした教師です。問題を起こした教員がいれば、代替教員としてどんな教科であろうと対応してきました。教師として13年間、自分の仕事に誇りを持ってやってきたつもりです。ここ7年で仕事を休んだのは1日だけ。メディアは私がフランス語を話せないことを話題にしていますが、アメリカでは圧倒的に教員が不足しているのです。」
一方のシーアス氏だが、異動になった学校でフランス語を教えることはできず、校内を見回る仕事しか与えられていないようだ。『khou.com』のインタビューに「フランス語が話せない教師とはひどい話です。子供たちは学校に来ても何も学んでいないことになる」と述べ、憤慨する。シーアス氏がなぜ異動になったのかは明らかにされていないが、「私は何もしていないのに給料だけもらっている。市民は私のために税金を払っているんだからおかしな話だよ」とも語っている。
現在、生徒のもとには学校から“適切な教員の配置に全力を挙げている”といった通知が来ているという。
出典:http://www.khou.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)