米コロラド州で妊婦を襲い、そのお腹を切り裂いて胎児を取り出した女に4月29日、100年の懲役刑が下された。『denverpost.com』ら複数のメディアが報じている。
事件が発生したのは、2015年3月18日のこと。コロラド州ロングモントで元看護助手のダイネル・レーン(35)が、当時26歳で妊娠7か月だったミッシェル・ウィルキンスさんを自宅に呼び寄せて襲撃。ミッシェルさんのお腹をキッチンナイフ2本で切り裂き胎児を取り出した。ミッシェルさんはダイネルがインターネット上に出したマタニティやベビー服の広告を見てダイネルの自宅を訪ねており、2人に面識はなかった。
ダイネルは当時、周囲に自分は妊娠していると語っており、その日早く帰宅したパートナーが血まみれのダイネルと浴槽に放置されていた胎児を発見、ロングモント・ユナイテッド・ホスピタルに連れて行った。ダイネルはパートナーに流産したと伝え、医師に赤ちゃんを助けて欲しいと懇願したというが、胎児は死亡した。ダイネルは2002年に1歳7か月の息子を事故で亡くしており、子供を望んでいたという。
一方のミッシェルさんは、ダイネル宅の地下室で意識を取り戻すと警察に通報。その後、ダイネルと同じ病院に搬送された。この時ミッシェルさんは、胎児が取り出されたことに気づいていなかったが、後に衝撃的な事実を知ることになる。ミッシェルさんを診察した医師は「お腹の傷を見る限り、帝王切開についての知識がある者の犯行と思われます」と話している。
ダイネルは取り調べの中で「私が先に襲われた。揉み合う中でミッシェルさんを殺しそうになったので、赤ちゃんを死なせてはいけないと思ってお腹を切った」と主張。これまでの裁判において、コロラド州の法律では胎児が子宮外に出された時点で生存が確認できない場合、胎児は人とは認められないため検察側は殺人罪の適用を見送っていた。
しかし今年2月、ボルダー郡陪審員は第1級殺人未遂罪、暴行罪、堕胎罪など5つの罪で有罪であると判断。4月29日、マリア・バーケンコッター判事が下した判決はこれに応えるかのように厳しいもので、ダイネルは懲役100年を言い渡された。同判事は「彼女の犯した罪は許されるべきではありません。しかしそれよりもダイネルがミッシェルさんから奪ったものの大きさを考えて欲しいのです。我が子が初めて言葉を話す瞬間、かんしゃくを起こした我が子をなだめること、我が子が描いた絵を冷蔵庫に張りだすこと、これからミッシェルさんが経験できたかもしれなかったことを非情にも奪い去ったのです」と述べた。
生きていればまもなく1歳の誕生日を迎えたであろう赤ちゃん、ミッシェルさんはこの子にオーロラちゃんと名づけている。
出典:http://www.denverpost.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)