スキューバダイビングが楽しめる観光地として知られる台湾台東県の離島・緑島で、絶滅危惧種の魚「メガネモチノウオ」を民宿業者の男(33歳)が捕獲し大変な騒ぎになった。男は過去にもメガネモチノウオを捕獲したことがあり、動機については「弟にメガネモチノウオの大きさを教えてあげたかった」と話したという。『蘋果日報』など多数の地元メディアが報じた。
メガネモチノウオは「ナポレオンフィッシュ」とも呼ばれ、高級食材として知られる。しかし乱獲のため個体数が急速に減少しており、台湾では2014年7月に保育類動物に指定された。現在、台湾での生息数は30匹、緑島地域だけでみると7匹と言われる。今回そのうちの1匹が捕獲されたことになり、地元では悲しみが広がっている。
海岸巡防署によれば、男は21日に緑島のビーチで違法にメガネモチノウオを捕獲。写真を撮り、LINEで友人らに自慢した。見かねた友人がその写真をFacebookに投稿すると、瞬く間に炎上し男の身元が突き止められる騒ぎとなった。
騒動を受け、男は当初「写真は7年前に撮ったもの」と説明したが、写真にある携帯電話の「4G」マークや写っているサンダルが昨年発売されたモデルであったことから嘘が露見した。
22日、海岸巡防署及び林務局の調べに対して男は「死んで海に浮いていたのを拾った」と供述を変えたが、男がメガネモチノウオを埋めたと話した場所からは身をさばいた後の残骸が見つかった。海岸巡防署では男を「野生動物保育法」違反で送検。その後、保釈金5万元(約17万円)で釈放されている。
男は生まれも育ちも緑島であり、普段からよく魚を捕っていたという。地元住民は「最近すごい水中銃を新調したと聞いていたが、まさか地域で親しまれている魚を捕まえるとは」と肩を落とした。
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(TechinsightJapan編集部 片倉愛)