7月1日以降にスペインの有名リゾート島を旅行する人々は、それまで認識していなかった税の納入を現地で求められることになるそうだ。トラブルを起こさないよう注意が必要であると英メディア『metro.co.uk』が伝えている。
「イグアスの滝」に近いアルゼンチンのプエルト・イグアス市が、今年2月よりマイカーで訪れる者を対象に「環境観光税」の徴収を始めるなど、近年では「観光税」、「滞在税」や「環境観光税」といったものを導入したり、検討したりする都市が増えている。欧州ではイタリア、スペイン、ドイツのいくつかの都市で「滞在税」がすでに導入され、ホテルのチェックアウト時に支払うことになるが、この夏にスペインの人気リゾート島を訪れる予定の人々にも注意が必要であるようだ。
それは西地中海に浮かぶバレアレス諸島。たとえばマヨルカ島、イビザ島、メノルカ島、フォルメンテラ島といった人気のリゾート島では、昨年から「観光税」や「環境税」などの名で税金を納めてもらうことを検討しており、議会は7月1日以降にこの国を訪れるすべての人々にそれを支払ってもらうという法案を先月に可決させていた。その税収入は観光地における自然保護、施設や遊具の点検修理ほかハード・ソフト両面で観光業界全体を安全に維持していくための費用にあてられるという。
具体的な税額は滞在するホテルの星の数による。日本円にして示すと、四~五つ星ホテルで1泊あたり1名につき250円、三つ星で125円がかかり、滞在が9泊を超えればその後の負担はぐんと減っていく。簡単な計算によると、16歳以上の子供を含む4人家族で五つ星ホテルに2週間滞在した場合、これまでの宿泊税・サービス料といったものに加え、10,500円ほどの「観光税」を徴収される。また地中海に浮かぶマルタ島(マルタ共和国)では、今年6月から観光客が1泊あたり60円ほどの「滞在税」を支払うことになるそうだ。
イギリスだけでも毎年300万人もの人々が休暇を過ごすために訪れているバレアレス諸島。リッチな人々にとってはそれほど痛い出費ではなさそうだが、燃料費込みの航空代金でオールインクルーシブのプランを申し込み、すでに支払いを済ませていたような旅行者でも現地では追加の徴収を言い渡されることになる。そこでトラブルが発生しないよう出発前に納得しておいてもらうことが必要だとして、どの旅行代理店も真相の確認に懸命になっているもようだ。
出典:http://www.walesonline.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)