このほど米連邦政府所属の国境警備隊・隊員が、米・メキシコ間を結ぶ非常に細長く、きわめて狭いトンネルが存在することを発見したもよう。カリフォルニア南部地区連邦地検のローラ・ダフィー検事が20日、そこから大量のコカインと大麻が押収されたことを発表した。
メキシコのティファナまで続くトンネルが発見されたのは、カリフォルニア州サンディエゴ市南端に位置するオタイ・メサという町。トンネルからは末端価格にして24億円に相当する2トンのコカインと7トンの大麻が押収された。これにより6名が麻薬の密輸および密売の容疑で逮捕されたことを『ロサンゼルス・タイムズ』ほかが報じている。
国境警備隊の隊員はマークしていた麻薬密売人を追跡していた中、1台のトラックが廃棄木材でいっぱいの産業廃棄物収集ボックスをある工業用地に運びこんでいる様子に気づき、トラックが去った後に敷地を調査。そこでウサギが掘ったにしてはやや大きい不審な穴を発見した。穴の先はごく狭いトンネルになっており、深さは約14m、長さは約731m。換気装置や照明器具も備わっているという。
カリフォルニア州では2006年以来、メキシコ側に向かって伸びる同様のトンネルが過去にも12本発見されている。ダフィー検事はこのたびのトンネルについて「コカイン押収量では過去最高の記録。最近発見された1本とともに“スーパートンネル”と呼ぶべき規模です」としている。
トンネルといって思い出されるのは、昨年7月にメキシコのアルティプラノ連邦刑務所から脱獄して世間を驚かせた、麻薬組織「シナロア・カルテル」の最高幹部ホアキン・“エル・チャポ”・グスマン受刑者。独房のシャワー室に穴が掘られ、地下にすでに作られていた1マイル(約1.6km)長のトンネルをオートバイで逃走。しかし今年1月、潜伏していたシナロア州ロスモチス市のホテルで身柄を拘束されている。
出典:http://www.theguardian.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)