母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養と免疫物質を含んでおり、それを飲むことで赤ちゃんは体がどんどん強くなっていく。もしも死期が迫っている病人に母乳を与えたら、ひょっとしたら延命作用を期待できるのではないだろうか。そう考えて行動に移したイギリスの女性の話題が大きな関心を集めている。
英グロスターシャー州チェルトナム在住のヘレン・フィッツシモンズさん(40)は、ハーモニーちゃん、カシウス君という一男一女を育てるママ。彼女はこのほど『mirror.co.uk』に、「母乳は赤ちゃんを丈夫に育てるばかりではありません。重病に苦しむ高齢者にも免疫力や生命力を与えることを目の当たりにしました」と主張し、注目の的となった。
ヘレンさんの父親アーサーさんは68歳であった2009年に骨髄腫に侵され、2013年10月からは前立腺ガンも発症。化学療法も始まったが医師からは「死期が近い」と告げられてしまった。医学書に“母乳育児は赤ちゃんの免疫力を高める”という説明を発見したヘレンさんは、「私が父にそれを分けてあげたら元気を取り戻してくれるのではないか」と考えるようになったという。
「人は愛する人のためならどんな努力も惜しまないものです」とヘレンさん。しかも幸運なことに、彼女はその当時カシウス君を母乳で育てていたのだ。娘が自分の命に真剣に向き合ってくれることがとにかく嬉しかったというアーサーさんは、照れながらも「美味しい」と言って毎日60ml弱の母乳を飲むようになった。ヘレンさんの友人の協力も得て、ある時からは85mlに量が増えたという。
ほどなくして行われた検査で、骨髄腫にはつきもののM蛋白という異常なたんぱく質の過剰な生産が止まったことが確認され、医師を驚かせたアーサーさん。こうして彼はそこから1年4か月も生きてくれたそうだ。この話題に関し、同メディアは“もしも親の最期が近いと知ったら、その延命のためにあなたも母乳をあげてみたいか”と問うWEBアンケートを実施したが、約9割がYesと回答している。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)