宗教や文化も異なる人々が暮らす世界の国々を行ったり来たりする航空会社の国際線。それぞれのお国柄による注意事項があるものだが、久しぶりにイランに飛ぶエールフランスがある問題に頭を抱えていることを米『Fox News』が伝えている。
昨年秋、2016年4月からパリ・テヘラン線の復活を発表していたエールフランス。この路線は2008年に運航を一旦停止していたが、今月17日からシャルル・ド・ゴール空港とルーホッラー・ホメイニー空港の往復を週3便飛ばすことになり、いよいよ最終調整に入っていた。そんな中、イラン側から「テヘランに到着したら女性CAは頭髪を隠すよう。スカーフを巻いて“ヘジャブ”に」との要求があったという。
「郷に入れば郷に従って欲しい。イランの女性たちは頭髪を隠すためにヘジャブを巻き、スタイルは丈の長いジャケットにズボン。スカートでは困る」などと言われても、制服については会社の規定もある。乗務員組合「UNAC(Union des Navigants de l’Aviation Civile)」も、「オフの時などに自発的に頭髪を隠したい、頭にスカーフを巻きたいと感じるならともかく、強制されてそのようなことをする必要はまったくない。CA各人の意思を尊重し、テヘラン線乗務を拒む権利が与えられるべき」と主張し、双方一歩も譲らない状況に陥っているもようだ。
もっとも他のエアラインの中には、今後のビジネスの発展を考えるとぞんざいにはできない相手だとして、テヘラン線就航にあたって示されたそうした条件に大人しく従っているところも多い。エールフランスにしてもそれは同じ。ファッションにうるさく個人主義に徹底しているフランス人女性であっても、「わが社のため、イコールお給料のため」と言ってそれを呑んでくれるCAが現れるよう期待するほかないようだ。
出典:http://www.foxnews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)