“あの人に会いたい!” そんな思いで240マイル(386キロ)を12日間かけて旅した犬のニュースを『independent.co.uk』など複数のメディアが報じている。
「犬は飼い主に忠実」と言われるが、イギリスで農場を経営するアラン・ジェイムスさん(54)は最近、これを身を持って経験したひとりだ。
イギリス・北ウェールズにあるペンリン=コホの農場で飼われていた牧羊犬“ペロ”は4歳。14頭の仲間の犬と一緒に、アランさんの農場で仕事をするのが日課だった。そんなペロが英北西部のコッカーマスの農場にもらわれていったのは3月上旬のこと。牧羊犬が欲しいという友人の頼みに応じ、羊を見張り誘導する訓練もかねてペロは新しい農場での生活をスタートした。
しかし1か月ほどたった今月8日、ペロは羊の群れの見張りをしている際に突然姿を消した。
誰もがペロの行方を案じていた12日後のこと。夕食を終え、動物たちの様子を見ようと玄関の戸を開けたアランさんは、そこで驚きの発見をする。なんと行方不明になっていたペロがアランさんを見つめていたのだ。妻のシャンさんは「はじめは驚きましたよ。でもペロの喜びようったら尋常ではありませんでした」と笑う。
アランさんの農場があるペンリン=コホはコッカーマスから240マイル離れており、ペロは平均すると1日20マイル、32キロを駆け抜けたことになる。
「牧羊犬は一日中走り回っていますから、体力はあります。でもどうやって戻ってきたのか、きちんと食事をしていたのか、謎だらけです」と語るアランさん。ペロはやせた様子もなくいたって元気で、アランさんは親切な人が道すがら餌を与えてくれたのではないかと考えている。シャンさんは最後にこう語った。
「ペロの忠誠心には本当に心打たれました。この子を手放すことはやめましたよ。これからはずっと一緒です。」
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)