2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の首謀者であり、その後10年にわたり逃亡するも今から5年ほど前にパキスタンで発見され、殺害された国際テロ組織「アルカイダ」の元リーダー、ウサマ・ビンラディン。まさにその発見と殺害にあたった米兵が、なんともつまらないことで逮捕されてしまった。ヒーローと呼ばれる人物であっても「ダメなものはダメ」と見逃すことをしなかった警察の姿勢も話題になっている。
パキスタンのアボッターバードに潜伏中であった2011年5月2日、「米海軍特殊部隊SEAL Team 6」の急襲を受けて死亡したウサマ・ビンラディン。作戦を成功させた兵士のうちの1人で、帰国後に大きく称えられたロバート・ジェームズ・オニール元隊員が8日、生まれ故郷のモンタナ州ビュート市で逮捕されたことを『washingtonpost.com』ほかが伝えている。
同州ビュート・シルバーボウ市郡の保安官代理ジョージ・スカレティッチ氏は、“コンビニエンスストアの駐車場で、車のエンジンがオンのまま男性が運転席で眠り込んでいる”との通報が複数あったことから現場に向かったことを説明。メディア露出の機会も多く地元でもかなりのヒーローであったことから、現在39歳となっているもののオニール元隊員であることはすぐにわかったとしている。元隊員はその場で行われた簡単な飲酒テストにひっかかったがアルコール呼気検査を拒んでDUI(アルコール/薬物の影響下の運転)容疑で逮捕され、留置場での検査も拒否。685ドルの保証金を支払うことで身柄は保釈となった。軽犯罪も含めてこれまで何ら犯罪歴がないこともあり、元隊員には72時間有効の運転免許証が与えられたという。
注目すべきは、元隊員が「警察官のプロフェッショナリズムと私に対する敬意に感銘を受けた」と語っていること。その町が生んだ国民的ヒーローである彼に「目をつぶります」と言うのは簡単だが、万人に対して公平であろうとした警察官の姿勢は称えるべきものであったという。元隊員は2012年に「上等兵曹」にて海軍を退官したが、現役時代は400を超す戦闘任務に就き、2つのシルバースター(銀星章)と4つのブロンズスター(銅勲章)を受章したと自身のウェブサイトで公表している。
出典:www.washingtonpost.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)