ガンを招くような食生活については様々な情報が伝えられているが、ガンを防ぐために積極的に摂りたい食品についても知っておきたいもの。その最新情報が発表され、注目を集めている。
米国の『U.S.News/HEALTH』に発表された最新の“ガンを寄せ付けないために摂りたい15の食品”とその根拠。<その1>では食べ物についてご紹介したが、<その2>では日本の情報も交えながら飲み物について触れていきたい。
■ワイン
米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームは昨年、ワインを愛飲している人たちは、そうでない人たちより食道ガン患者が57%少ないことを突き止めたと発表した。ブドウ皮に含まれ高い抗酸化作用を発揮するフラボノイド。健康によいとはいえ、適量は1日あたりグラス1~2杯までだそうだ。
■豆乳
“Soy Milk”の名で世界的に親しまれるようになっている豆乳。大豆イソフラボンのエストロゲン様作用は、体内にエストロゲンの多い女性においてむしろ乳ガンの発生を予防する効果がある(発症してしまったエストロゲン依存性の乳ガンに対しては、ガン細胞の増殖を促進させてしまうため注意が必要)と言われている。中国・上海で97,275人の女性を対象に行われた調査では、コップ1杯程度の豆乳を飲んでいる女性で卵巣ガン発生のリスクも低く、若い頃から摂取してきたという女性においては閉経前の乳ガン発生率が60%低いことがわかったという。
ちなみに日本でも生活習慣病予防における大豆製品の効果について各種の研究が行われているが、その結果「みそ汁を飲む回数が多い女性ほど乳ガンになりにくい」と大きく報じられたことがある。3度の食事で毎回みそ汁を飲むという女性は、1日1杯未満の女性にくらべて乳ガン発生率が40%も低いとのこと。ただし塩分摂取量には十分に気を付けるべきだとしている。
■緑茶
“Green Tea”として世界的に飲まれている緑茶。米・国立癌研究所はこれが皮膚ガン防止に一役買うかもしれないと発表した。紫外線を浴びることで体内で発生する活性酸素からDNAを保護してくれる効果が期待され、注目される成分はカテキンの一種である「没食子酸(もっしょくしさん)エピガロカテキン」。ポリフェノールが豊富で、がん細胞を自然死させる“アポトーシス”をも狙えるなど抗酸化作用は非常に強力だとしている。ちなみに緑茶を愛飲する人口が多い日本はこの点においても一歩リード。水出し緑茶でこのエピガロカテキンがよく溶けだすことが分かっている。
■コーヒー
抗酸化作用ばかりか実は抗炎症作用もあるとみられるコーヒー。米ミネソタ大学が63,257人を対象に行った研究で、毎日適量のコーヒーを飲む女性において胃ガンのリスクが明らかに低いことを突き止めたという。
■オリーブオイル
スクアレン、ポリフェノール、トコフェロールなどの化合物が高い抗酸化作用を発揮するオリーブオイル。健康と便秘解消のために“飲む”人もいるほどで、これをふんだんに使用した「地中海式ダイエット」は有名。昨年にはそれが乳ガンのリスクをも低下させるとの論文が『JAMA Internal Medicine』に発表された。野菜、魚介類、果物、穀物、オリーブオイル、グラス1~2杯のワインが「地中海式」のキーワードであり、低脂肪の乳製品は適量の範囲で。何より肉類の摂取を控えめにする。
■ビタミンD強化ミルク
日光に当たることで体内に生成されるビタミンDは、骨や歯を作るのに必要と言われるが、不足するとガンを招きかねない。米スタンフォード大学医学部の最新研究によれば、ビタミンDは体内の過剰なエストロゲンを減らし、乳ガンや肥満を遠ざける役目を果たしているという。「ミルクを飲むという人にはビタミンD強化の低脂肪乳を薦めたい」とテイラー博士。現代人のビタミンD不足は深刻で、米国では4割の人々が1日の摂取目安量を満たしていないという。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)