writer : sekihara

病気・怪我と仕事の両立は“当たり前”の時代に ニーズ高まる「返済リスク対応型住宅ローン」

マイホーム購入のときに一番頭を悩ませるのが資金繰りだろう。何十年ものローンを組むケースが少なくない住宅ローンにおいて、何が起こるか予測不能な将来、長期にわたり返済し続けられるか不安になるのも仕方ないこと。ローン返済には一定の収入が必要になるが、ビジネスマンが病気や怪我を抱えた場合はどうなるのか。ビジネスの現場で健康リスクマネジメントに携わる産業医に話を聞いた。

現在30数社の産業医を務める大室正志医師は、10年後のことを見据えた医学会は「ガン就労など、治療やリハビリと仕事の両立」を現在テーマにしていると教えてくれた。「ペースメーカーを使用されている方は、周囲から見て分からないくらい普通に仕事をされています。また、ガンの手術から一週間で復帰される方もいます。ガンの放射線治療のため、30分だけ職場を抜け出して病院に行くというケースもありますし、今や病気や怪我と付き合いながら仕事を続けていくことは、当たり前の時代になりました」と現状を説明。ただ、この場合には以前と同じ部署ではなく、体に負担の少ない部署へ異動しなければならないことも。そのときに「問題となるのが残業代や営業手当をベースに生活設計をしているケース」だと大室医師は指摘する。

「病気や怪我と仕事の両立は当たり前の時代」と大室医師

大室医師が「病気や怪我から復帰される過程の中で、悩みとしてお聞きするのは、住宅ローンや教育費の話ですね」とこれまでの経験を明かしたように、体の不調の際に金銭面が心配の種になることは多く、体の悩みを抱えながら金銭面の悩みもぬぐえない事態は深刻だ。そこで「今、話題となっている返済リスク対応型住宅ローンのようなリスクヘッジ商品もひとつの選択肢だと思います」と大室医師。

産業医・大室正志医師

この「返済リスク対応型住宅ローン」とは、働きながら治療を受けている人でも所定の状態になったら保険金が支払われるもの。病気・怪我と仕事の両立が当たり前の時代に適した、ニーズが高まっているローンと言えそうだ。それを裏付けるかのように、このローンの職業種別契約者数1位は事情に詳しい医療従事者だという。

たとえば、都市銀行ではりそな銀行、地方銀行では埼玉りそな銀行などが取り扱っている『団信革命』は、2016年3月現在、仕事を続けられても続けられなくても3大疾病と16の特定状態になった場合、住宅ローンの残債が0になるというタイプの返済リスク対応型住宅ローンだ。「医師に限らずプロとして仕事をしている人たちは、同じように万が一のことを考えた健康リスクマネジメントを意識していると思いますね」「万が一の場合でも、病気や怪我と向き合いながら、ポジティブに自分らしい人生を送っていける社会を実現するために、産業医として社会に役立つ活動を続けていけたらと思っています」と大室医師はインタビューを締めくくっている。

■埼玉りそな銀行『団信革命』詳細
http://www.saitamaresona.co.jp/kojin/jutaku/danshin/
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)