退職し時間に余裕ができた60代の夫妻。32日間の豪華客船の旅は2人にとって最高の思い出となるはずだったが…。『theguardian.com』が伝えている。
充実した設備で一味違った感動が味わえると人気の豪華客船。イギリス出身のスーザン・ブラウンさん(65)と夫のマイケルさんも“楽しい思い出を作ろう”と、西インド諸島から豪華客船「マルコポーロ」に乗り込んだ。しかし長旅の疲れからか、少しずつ歯車が狂いはじめた2人は今月26日、“これ以上旅を続けても楽しくない”と船を降り、予定より4日ほど早く帰国することを決めた。出発から28日目、マルコポーロは北大西洋に浮かぶマデイラ島に停泊中だった。
空港に向かった2人だが、チケットを手配している最中にスーザンさんはマイケルさんと離れ離れになってしまう。見つからない夫に呆然としていたスーザンさんだったが、ふと外に目をやるとフンシャル港を出航し空港の裏手を走る客船マルコポーロを発見。「夫は船に戻ったのに違いない」と思ったスーザンさんはそのまま海に飛び込み、船に追いつこうと必死に泳いだのである。
4時間ほど漂流した午前12時20分頃、スーザンさんは飛び込んだ岸から500メートルのところで通りかかった漁船に発見され救助された。低体温症で意識が朦朧としており、救助した漁師は「あと30分発見が遅れたら、彼女の命はなかったでしょう。持っていたハンドバッグが浮き輪の代わりになったようです」と語っている。
スーザンさんにとっては何とも苦い思い出となってしまった今回の旅。夫のマイケルさんはというとマルコポーロには乗船しておらず、その日一番の飛行機で先に帰国していたという。
出典:http://www.theguardian.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)