競争心の強い中国の人々、上昇志向はただではない。わが子の将来についても、有名大学進学~一流企業就職と期待も大変なものである。それは農村部とて同じこと、一部の親は都会で懸命に働き、貯金しながら実家に送金を続けている。「春節」と呼ばれる旧正月の一大連休が終わると、毎年のように涙を誘うこうした話題が飛び出すのだ。
「すべてはわが子のため。少しでも良い暮らしをさせ、高い教育を身につけさせたい」と望む地方農村部出身の親たちは、子供を祖父母の家に預けて北京、上海などに出稼ぎをする。都市部と農村部間の経済格差を埋めるにはそういう方法しかないのが現実だ。
そんな中国では今、『網易新聞(news.163.com)』が紹介したこの写真がSNSで大変な話題となっているもようだ。撮影された場所は四川省成都市郊外のキョウライ。男の子はFeng Feng君といい、母親はこの車で自身の住居と勤め先がある大都会に帰るところである。
「ママ、行っちゃイヤだ! 僕を置いて行かないで。僕も行く。僕も!」
こう言って車に乗った母親に泣いてすがるも、祖父母により力づくで引き離される7歳の男の子。「春節」の連休に実家に戻って来た母親に思い切り甘えたものの、連休終了で再び離れ離れとなり、自分はこのまま田舎で祖父母と一緒に生活しながら学校に通う。次に母親に会えるのは1年後だという。
毎年この時期、涙でぐしょぐしょになりながら都会に戻る親との辛い別れを経験しているのはFeng Feng君だけではない。現在、中国の地方部で親のいない寂しい生活を送る、いわゆる“留守児童”の数は6,100万人以上いるといわれ、目が行き届かないことでの毒物誤飲、交通事故、火災など痛ましい事件も多々発生している。
また祖父母の病気や死亡を機に面倒を見る親族を失い、放置状態にある子供たちも200万人ほどいる。貴州省畢節市では昨年6月、5歳から13歳までのきょうだい4人が服毒による無理心中を遂げた。父親は都会に出稼ぎ中で不仲であった母親が蒸発。祖父母も相次いで死亡し、人生に絶望した旨の遺書を残していた。
出典:http://news.163.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)