突然裕福になった、世界を旅行してみたい、高級ブランド品を身につけたい、美しい愛人にあれこれ買って貢ぎたい。その4点が揃えば当然こうなるのであろう。中国では春節が終わると毎年のように「世界各国で中国人が爆買いした合計金額」なるものがはじき出されるが、このたび発表された数字やパーセンテージにも驚くばかりである。

大型連休「春節（旧正月）」が過ぎた中国。12～13日には主要都市の空港、駅、高速道路はどこも旅行から戻ってきた人々でごった返したことが伝えられている。そんな彼らがやはり楽しんでいたのは世界各地の高級ブランドショップ、アウトレット、空港免税店や家電量販店での爆買い。このほど『China Daily（中国日報）』が「Fortune Character Group」社（本社：北京市）の発表をもとに興味深い記事を伝えた。

それによれば中国人は2015年の1年間において、海外での買い物に1兆2000億人民元（日本円にして約21兆円）もの大枚を叩いたとのこと。高級ブランドの腕時計、バッグ、衣料品、化粧品、酒、モバイルガジェット、日用品まで商品は多岐にわたるといい、おそらくは日本の「温水洗浄便座」も話題の一品であったに違いない。特に高級品に関しては約13.3兆円分、世界規模で考えると総売り上げの46％を中国人が支払ったことになるそうだ。

また中国・国際観光開発研究センター所長Jiang Yiyiさんは、「海外に出かけてショップで購入するほかにオンラインショッピングの利用も盛んになっている」と述べている。中国政府の発表では昨年1年間に1億2千万人を超える中国人が海外に出かけたもようだが、商務省は中国人の購買意欲、消費能力は2005年から昨年にかけ、毎年平均27.8％のペースで右肩上がりの成長を遂げて来たと発表していた。

また昨年秋には、変わったところで “メディカル・ツアー”として日本を訪れる中国人の多さも話題になっていた。保険証もなく10割負担を覚悟の上で、大病を抱えた患者が日本の病院でセカンドオピニオンを求めたり、場合によっては先進医療を提供する病院で治療を受けようとするもので、がん治療、人間ドックから美容整形まで、中国人向けの専門のコーディネーターが導いてくれるそうだ。

そして暮らしが裕福になると必ず出現するのが、若くて美しい“アルナイ（愛人）”を競うように囲いたがるオジサンたち。彼女（たち）のために高級ブランドの腕時計、バッグ、香水などを痛ましいほどせっせと購入する。そんなこともあり、近年どの高級ブランドショップにおいても「総売り上げの60～70％は中国人の財布から」という数字を疑う者はいない。しかし現時点の中国においてはどれも減速しているもよう。内需の方は相変わらずさっぱりで、こちらの解決策はまるで見つかっていないという。

出典：http://www.chinadaily.com.cn
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）