筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究支援を目的として始まり、2014年の夏あたりから世界にも広がった「アイスバケツチャレンジ」。しかし嫌がる者への無理強い、酔って重いバケツを頭上に落とす、急激な冷えによる体調不良などトラブルや救急搬送騒ぎも絶えなかった。何かをすぐに流行させようとする米国の若者の間で、今度は「ダクトテープチャレンジ」なるものが流行しているが…。
「ダクトテープチャレンジ」とは、ターゲットの1人を決めたら粘着力が大変強いダクトテープを使って手首や足、体などをグルグル巻きにし、いかにしてそれを引きちぎり、外して逃げ出すか、その速さやワザを競いあうもの。犯罪ドラマにはつきものの、人質の手足をダクトテープで縛り、イスや柱に括り付けるシーン。あれをゲーム感覚で再現しようというものだ。
シアトル在住のスカイラー・フィッシュさん(14)も先月16日に「ダクトテープチャレンジ」を行ったが、予測しなかった事態に見舞われて現在もハーバービュー医療センターに入院中である。コンクリートに頭を打ち付けたことにより48針縫う大手術が行われたほか、倒れこんだ際に眼球を窓枠の角に強打して片目を失明してしまった。
この少年の母親であるサラ・フィッシュさんは、地元メディアの『KIRO‐TV』に悲痛な表情で「息子はあわや死ぬところで、今こうして生きていること自体が奇跡。ほかの子には決してダクトテープチャレンジなどしないよう警告したい。息子がそれで失ってしまったものはあまりにも大きい」と嘆いている。
ダクトテープチャレンジがアメリカの若者の間で流行中なのは動画やSNSでも見て取れるが、“グルグル巻き”のレベルがエスカレートすることにより、皮膚の激しい損傷、血流が滞ったことによる組織の壊死など訴訟に発展するであろうアクシデントも多々伝えられるようになっている。スカイラーさんのこの事例も決して他人事ではないようだ。
出典:https://www.facebook.com/siemnykiro7
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)