携帯電話には極秘にしておきたいデータがいっぱい保存されているこの時代、赤の他人にはまず見られたくないものである。だがこのほど米フロリダ州で、携帯ショップの店員が職業上の権利を悪用したばかりに…。
フロリダ州ラーゴで昨年11月、顧客の携帯電話から画像データを盗んだ携帯ショップのケネス・ヒラリオ・サンチェスという24歳の男の店員が逮捕・起訴された。ショップはウルマートン・ロードにあり、米国では加入者数が第4位という携帯電話「Sprint(本拠地:カンザス州オーバーランドパーク)」の代理店であるという。
裁判所に提出された宣誓供述書によれば、被害にあったのは携帯電話を新しい機種に変更しようとして同店を訪れた20歳の女性。画像は非常にプライベートなシーンを撮影したものであった。サンチェスは旧機種に保存されていたデータを移行するにあたり、彼女の非常にプライベートな写真を発見して自身の携帯電話へも22のデータを転送。機種変更はそれなりの手続きに時間がかかることから、女性がサンチェスのその行為を怪しむことはなかったという。
この事件の発覚で同ショップについては「許しがたい背信行為」、「こんなこともやはり可能だったのか」、「顧客の信頼を一気に失った」などと大騒ぎになっているもよう。しかもサンチェスひとりがコンプライアンスを破ったわけではない。ほかの店員もその画像を見て楽しんでいたことから、同様の悪事が以前から行われていた可能性すらあるようだ。
なお、女性を担当する弁護士は「画像というのは一旦世間に流出したらそれを食い止めることは困難。しかし顧客はそのあたりの知識に少し疎いようだ」と語る。また専門家もこの事件に関しては「同様の被害はいつでも起こり得るという認識が必要」と指摘。個人的なデータやプライベート画像が満載の携帯電話を店員に手渡すにあたっては、データ移行は自身で行うくらいの危機管理意識が求められるとしている。
※ 画像はwwlp.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)