砂糖がたっぷり入った炭酸飲料やソフトドリンク。フランスや米カリフォルニア州バークレー市などでは飲料業界の反発を押し切って「ソーダ税」が導入されるなど、砂糖がもたらす肥満への関心は高い。このたび米マサチューセッツの「US National Heart, Lung, and Blood Institute(国立心肺血液研究所)」で中年期とされる45歳~64歳、1000人を対象に「砂糖入り飲料の摂取による内臓脂肪の影響」に関する研究結果が発表された。英メディア『dailymail.co.uk』が伝えている。
肥満には「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」の2つのタイプがあり、腸や膵臓、肝臓などを包むようにつく「内臓脂肪」は生活習慣に影響を受けやすく、メタボの原因とも言われている。今回の研究では、砂糖入り飲料を毎日飲む人と全く飲まない人を調査し、調査開始時と6年後の内臓脂肪の大きさを比較した。この結果、砂糖入り飲料を毎日飲む人は、全く飲まない人に比べて6年間で30%、量にして平均852mlも多くの内臓脂肪が確認されたという。また、1週間に1度飲む人は、全く飲まない人に比べて7%、平均707mlほど多くの内臓脂肪が確認されている。ちなみに人工甘味料を使ったダイエットドリンクを飲んでいる人には内臓脂肪への影響は見られなかったという。
内臓脂肪は心血管疾患や2型糖尿病といった生活習慣病を引き起こす原因とされる。砂糖入り飲料だけを問題視することはできないが、適度な運動やストレスのない生活、食習慣の改善など健康への配慮が必要なのは言うまでもない。
医療費の増加や子供の肥満率の上昇に頭を抱えるイギリスでも、ソーダ税の導入についての検討がなされているという。砂糖入り飲料の摂取抑制や健康問題の改善につながるのかも含め、今後の議論の行方に注目したいところだ。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)