中国で今、美容整形を受ける人が増加している。China Association of Plastics and Aesthetics(中国美容整形協会)によると、2015年の市場規模は626億ドル(約7兆3000億円)、2019年には2倍に膨れ上がるとみられているのだ。『whatsonweibo.com』ら複数メディアが伝えている。
2014年に中国で美容整形手術を受けた人は、700万人以上。2001年に国内での手術が正式に認められて以来、毎年40パーセントずつ市場を拡大し、今ではアメリカ、ブラジルに次いで世界3位の美容整形大国へと成長した。業界内では2012年までに2000万人以上の雇用を生み出してきたといわれるが、70パーセントのサロンはライセンスを持たずに営業しているとされる。
「10分間、200人民元(約3600円)でプチ整形ができる」と手軽さを謳う“ファーストフード整形”とも呼ばれるサロンでは、ライセンスを持たない医師やスタッフ、偽の薬を使うなどの例も報告されており、患者は常に危険と隣りあわせだ。あるサロンでは昨年、中卒の若者を雇い3日間の訓練だけでボトックスをはじめとする医療行為を行なっていたとして、警察の立ち入り調査を受けている。富裕層はアジア最大の美容整形大国とも言われる韓国に目を向け始めており、2014年には5万6000人が施術を受けているが、韓国でのトラブルも増えているようだ。
北京にある田永成医療美容門診部の医師は英『BBC』のインタビューに「中国がより豊かになり美容整形の需要も増え、より多くの人がサロンを訪れるようになりました。私の患者には5歳のお子さんもいらっしゃいますよ。夏休みになると高校生や大学生の予約でいっぱいになります。美容整形は患者さんに幸せをもたらすのです」と答えている。このサロンで手術を受けた女性は「自分が美容整形をしていることは誰も知りません。手術後はこれで終わりにしようと思うのですが、出来上がった顔を見るともっともっとと欲が出てしまって。完璧な顔になるまで続けるつもりです」と語る。
若い世代はプチ整形にはあまり抵抗がなく、中国最大のSNS『Weibo』で自分の顔をアップし整形経験をシェアしている。しかしながら、「自分の顔は両親からの贈物」であるとして顔にメスを入れることをためらう人々も未だに多いようだ。
出典:http://www.whatsonweibo.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)