世界の裁判では時々聞かれる、「懲役数百年」などという大変重い量刑。このほど米ニューヨーク州からそうした話題が飛びこんできた。女が誘拐した少女たちに男が性的暴行を加えるという大変卑劣な犯行であったという。
ニューヨーク州北部のオスウィーガッチーという町で2014年8月に起きた、「アーミッシュ」と呼ばれるドイツ系移民の宗教集団で起きた少女誘拐暴行事件。農作物販売所にいた少女らに子犬を連れた20代の女が近づき、気を許した少女たちを誘拐して車に押し込み薬物を飲ませ、その後は交際相手の男がビデオで撮影しながら性的暴行を加えた。2人は少女らを24時間以上拘束した上、解放した場所は彼女たちの家から24kmも離れたリッチヴィルという村であった。
この事件では未成年者誘拐・性的暴行の容疑でスティーブン・ハウエルズという40歳の男とニコール・ヴェイシーという26歳の女が逮捕・起訴され、ともに今年5月に有罪答弁を行っていたが、連邦検事がハウエルズに対して先月30日、懲役580年を求刑したことを『nydailynews.com』が伝えている。これに対し、ハウエルズの弁護側は「被告の幼児期に受けた虐待とネグレクトを考慮すれば、懲役30年がふさわしいところ」と反論しているという。
一方でヴェイジーの弁護側は、彼女の性倒錯を悪用したハウエルズの責任を問うべきだとしている。ヴェイジーはそうした仲間と出会うための『FetLife』というフェティッシュウェブサイトを通じてハウエルズと出会い、「私たちは“ご主人様と奴隷”の関係。どのような支配・命令にも服従する」の念書に署名して交際しており、友人にアザを見せては「噛まれた」「叩かれた」と嬉しそうに話していたとしている。そのため裁判官には「おかしな協定の存在により被告の体、魂、意志はすべてハウエルズに支配されていたため、誘拐の命令を拒むことは難しかった」と強く訴えかけた。
ただし少女たちに対する性的暴行を撮影した複数の証拠映像が押収されており、法廷ではそれらも公開された。検察側は「ハウエルズによるむごい性犯罪が行われている傍らで、ヴェイジーは平然とした表情でパソコンや携帯電話を使用している。映像のいくつかにおいてはヴェイジーも性的行為に参加しており、そこに怯えや躊躇といった雰囲気は感じられない。性倒錯や念書を考慮してもなおヴェイジーの責任は非常に重い」と断罪した。2人に対してはシラキュース連邦裁判所で17日にも判決が言い渡されるという。
※ 画像はnydailynews.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)