ロサンゼルス郊外の広大な渓谷に面したある道路に異変が起き、やじ馬が多数集まっているもよう。そのあたりには米西海岸にたびたび大地震をもたらすことで知られる南北に伸びる「サンアンドレアス断層」があることから、何らかの警戒感が高まっているもようだ。
現場はロサンゼルス郡サンタクラリタの北側を走るヴァスケス・キャニオン・ロード(Vasquez Canyon Road)。今月中旬から路面が60mにわたって徐々に崩壊するという異変が起きており、しかし地震などは起きていない。ずさんな工事や地下水に関連し、道路に大きく穴が開く騒動は世界各地でまま起きているが、それとは逆に路面の隆起と地割れがひどいようだ。
何か巨大な力で斜めに押し上げられてしまった路面。4.5mほど浮き上がってしまったところも数か所あり、UCLAのジェレミー・ボイス教授は『CBS News』に「地すべりを起こすような暴風雨や強い地震もなかったことから、原因は不明です。今後も油断できません」などと解説。またロサンジェルス郡土木工事局のスティーブ・フラッシャー氏も「兆候は全くありませんでした。原因については懸命な調査が続いています」と話すにとどめた。19日から通行止めとなっている現場には多数のやじ馬が現れ、スケボーを始める若者の様子まで伝えられている。
北米西海岸の人々がマグニチュード8か9ともいわれる巨大地震の発生を恐れている原因は、1700年にファンデフカプレートのひずみが原因で起きた「カスケード地震」。すでに300年以上が経過しており、ストレスがかなり蓄積されているであろうことが今年になって特に大きく報じられている。またカリフォルニア州では南北約1,300kmの巨大活断層「サンアンドレアス断層」が伸び、サンフランシスコにたびたびの大地震をもたらすほか、ロサンゼルスとの距離を年間6mmのスピードで縮めていることがわかっている。ヴァスケス・キャニオン・ロードの位置はこの断層とは無縁ではない。
※ 画像はrt.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)