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writer : ac

【海外発!Breaking News】「性的虐待を受けた」娘の虚偽の申し立てで5年間服役した父親(英)

血を分けた我が子から受けた屈辱ともいえる試練。父は娘の嘘によって奈落の底に突き落とされた。英『Daily Mail Online』が伝えている。

17歳で最初の結婚をしたジェフ・ロングさん(現67歳)は、ひとつ年下の妻スーさんとの間にティナ、スティーブ、デイビットの3人の子をもうけた。ペンキ塗りとインテリアの仕事で生計をたてていたものの、若かった彼は浮気を繰り返し家庭を顧みないすさんだ生活を続けていた。1970年代にスーさんとの結婚に終止符を打ったものの、すぐに2度目の結婚をし2人の息子を授かる。このころからジェフさんには仕事の依頼が増えるようになり生活も安定していった。しかし、前妻はジェフさんの金回りの良さに嫉妬し、たびたび嫌がらせの電話をしてくるようになる。2度目の結婚生活も破綻し、ジェフさんは3度目の結婚を果たす。やり手の妻ルイーズさんとの間には息子ジェイムス君(現10歳)が生まれ、生活はさらに豊かなものとなっていった。スーさんへの連絡も途絶えがちになるが、スーさんと娘のティナさんは夜中に酔っ払って電話をかけ金を無心するように。ジェフさんは「スーとティナは私を金づるとしかみていなかったのです。私が働いたお金は自分たちには回ってこないと怒り狂っていましたから」と当時を振り返る。

2009年、ジェフさんの悪夢が始まる。ルイーズさんが自宅のあるイギリス南東部イーストボーンの近くに託児施設をオープンした。スーさんから自分の孫を是非入園させて欲しいと執拗に電話があったが、2人は父親に問題行動があることから申し出を断った。すると母親でもあるティナさんは30kmほど離れたブライトンの性犯罪専門を扱う警察部署に赴き、30数年前父親から性的暴行を受けたと涙ながらに訴えたのだ。彼女の証言により、ジェフさんは2010年に逮捕、裁判は進み懲役5年の有罪判決が下る。ティナさんは「毎週土曜日、母が外出すると父がやってきて性的虐待をくり返された。秘密にしないと家族がばらばらになると脅され、それは8歳から16歳まで続いた。父は事が済むと自分の寝室にあったピンクのシンクで私をきれいに洗い流した」とセンセーショナルな記事を雑誌に投稿し、世間の同情を味方につけた。2010年に始まった裁判は2012年に上告、2014年、2015年の再審と続くことになる。

ジェフさんは「法廷でティナが証言する時はできるだけ感情を抑えるようにとアドバイスを受けていましたが、内心この子は私の実の子だと思うとはらわたが煮えくり返る思いでした」と語る。一時は自殺も考えたほどのジェフさんを支えたのはルイーズさんと息子ジェイムス君だったという。離婚を切り出したジェフさんに対し、ルイーズさんは「これは冤罪で決して許されるものではない」と言い、無罪を証明する証拠集めに奔走した。その証拠資料はなんと3,600ページにも及ぶ。これによってティナさんが主張していた”ピンクのシンク”は存在せず、ティナさんとスーさんは第一審を録音し口裏を合わせていたなど、証言の曖昧さが次々と暴露されることになる。2015年1月、5年の月日を経てティナさんは全ての嘘を認めて検察は起訴を取り下げた。

この裁判で100,000ポンド(約1,870万円)を費やしたというジェフさんは「証言が二転三転し、物的な証拠も見つからないまま5年という歳月が流れてしまった。私のケースが裁判になったこと自体大きな間違いだったのです。検察はいったい何をしていたのか、司法システムはきちんと働いているのか、こんな経験は自分だけで終わりにして欲しい」と怒りを吐き出すように語った。

「若気の至りとでもいいましょうか。ティナにとって私は決していい父親ではなかったと思います。その報いを受けたと言えばそれまでですが、娘の嘘によって私の人生は全く違ったものになってしまったのです。もうティナと話すことは一生ないでしょう。娘に復讐をするなんてことは考えていませんが、彼女にも善悪の観念というものがあるはずです。彼女もきっと苦しんでいると思いたい」と述べたジェフさんであった。

※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)