食べるのが遅い子に「さっさと食べなさい」と強いプレッシャーをかけることは、時にはこうした不幸な事態を招いてしまう可能性もあることを忘れてはならないようだ。米ニューヨーク州から、なんとも気の毒な少女の話題が飛び込んで来た。
NYブルックリンで今月21日、「P.S. 250/George H Lindsey」という小学校に通う1年生のノエリア・エカバリアちゃん(7)が「NYUランゴーン医療センター」に救急搬送された。教室で昼食を食べている中、サンドイッチのパンをのどに詰まらせ窒息したというもので、処置が遅かったことから脳死状態に陥ってしまった。
「娘は食べるのが遅く、先生から“早く食べなさい”と毎日せっつかれていたようです」と話している母親のアナ・サンチャゴさん。学校側の説明に不足があると言い、デイヴィッド・ペレスマン弁護士も『Fox News』とのインタビューで、「午後2時半という911緊急コールの時刻から考えると、それまで職員らは何をしていたのかとの疑問が残る」と語っている。
またノエリアちゃんのおじは駆け付けた時の状況について、『ニューヨーク・デイリーニューズ』に「ノエリアは出血しており、青白い顔で完全にぐったりとしていました。そんなノエリアを廊下の冷たい床に寝かせたまま、職員たちは何もせずに突っ立っていたのです」と強い不満を漏らしている。彼はまた、ある職員が大きく手を振って1台の救急車を呼び止める様子を目撃していた。そこには眼科医院から老人ホームに戻る高齢者と付き添い人が乗っていたが、深刻な病状ではないことから救命救急士のクワジー・リードさんは救急車を離れてノエリアちゃんの元へ。救急指令本部に連絡を入れるとともに気道の確保に努め、人工呼吸を施したのであった。その時刻こそが2時半。ペレスマン弁護士は「リードさんが指令本部への最初の通報者であった可能性が高い」と述べている。
なお偶然にも呼び止められ、救命救急士としての使命感から心肺蘇生を試みたリードさんであったが、それは「勝手な判断で救急車を離れたことは職務に違反する」としてEMTの職を解雇されたこともその後に判明。そもそも誰が何をなすべきであったのか、何か大事な事実が隠されているのか、責めるべきはその救命救急士なのかなどこの窒息事故には大きな疑惑と問題が残っており、おそらくは訴訟に発展するものとみられている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)