訴訟大国アメリカでは、骨折という痛い思いをさせられたら身内であっても「起訴」が妥当なのであろうか。ニューヨーク州在住の50代女性が、勢い余ったハグのせいで骨折したとして、このほど小学生の甥っ子に損害賠償を求める裁判を起こしたが…。
コネチカット州のメディア『ctpost.com』によると、同州ウェストポート在住のショーン・タレーラ君(12)はNYマンハッタン在住のおばジェニファー・コネルさん(54)に怪我させたとして訴えられたが、25分という短い時間で判決が読み上げられた。メインストリート上位裁判所のその法廷傍聴席では、ショーン君の父親マイケルさんが見守ったが、母親リサ・タレーサさんは昨年他界したという。
2011年3月18日こと、ショーン君の8歳のバースデーパーティが自宅で開かれ、招待されたジェニファーさんもそこを訪れた中でアクシデントは起きた。ジェニファーさんを見るなりショーン君は“ジェニファーおばちゃん!”と叫び、体重22.6kgの体で勢いよく飛びついてきたため彼女は転倒し、手首を骨折した。食器を片手で持てないなど日常生活における不便はもちろん、エレベーターのないアパートの3階に暮らす上で手首の骨折は大変な痛手であったといい、その責任をとってほしいと医療費を含む127,000ドル(日本円にして約1,500万円)の損害賠償を求めた次第である。
自身には子供がおらず、普段からショーン君には愛情深く接してきたジェニファーさんであったが、その時のハグだけは「行き過ぎたパフォーマンスだと感じた」という。ある企業の人事課長として勤めている彼女は、裁判官エドワード・ストドリンク判事や6名の陪審員に向かって「8歳であれば、手首を骨折した私がどれほどの不便を味わうことになってしまったか理解できるはずです」、「その日は彼のためのパーティが開かれていたこともあり、ムードをぶち壊さないためにも私が遠慮して騒がなかったことを評価してほしい」などと訴えた。「甥っ子への愛情はあるけれど、それとこれとは別の話です」というジェニファーさん。6名の陪審員の評決は「おばには一銭も払う必要はない」とジェニファーさんに厳しいものであった。
※ 画像はctpost.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)