飼い犬のフンをそのまま放置して帰宅してしまう人を「絶対に許さない」と決めた議会。 “犬のフンおことわり”という住民の怒り、不衛生な状況には行政も頭を抱えていたとして、ノーサンプトンシャー州では厳しい条例が施行されることとなった。
愛犬家が多く、散歩道とされる場所にフンを捨てるためのボックスが設置されていることもあるイギリス。しかし飼い主のモラルの低下は大きな問題となっていた。そんな中、ノーサンプトンシャー州のダベントリーでは12月1日から飼い主がフン始末用の袋を持たずに散歩に出たら、「Public Space Protection Order」に基づき罰金100英ポンド(日本円にして約1万8千円)が科せられることになった。専門の職員がパトロールにあたり、罰金刑を言い渡された者の支払い期限は7日間。これを怠ると、なんと1,000英ポンド(約18万円)が追加されることもあるという。
かなり厳しい手段に出たことについて、ダベントリーの議会は「これくらいの条例を設けなければ無責任な飼い主たちが動かない」と強気の姿勢をみせているが、実はその取り組みを全英の各州が注意深く見守っており、ダベントリーでの成功が確認されればいずれは国を挙げての法律と化すのではないかと専門家は見ている。
だがダベントリーのケンネル・クラブはこの件に関し、「犬の体調によって持っていた袋を使い果たしてしまった場合も対象となるのか」と、善良な飼い主が罰せられるようなことに不安を投げかけた。また慈善活動団体「Dogs Trust Welfare Charity」のスージー・ラビンさんは、「大多数の飼い主はちゃんとフンを拾い正しく始末しているのです。行政はそんなことで予算を無駄遣いせず、凶暴で手が付けられない犬を放置しているような飼い主への指導を行って欲しいものです」と語る。
ちなみにこの件に関して英メディア『metro.co.uk』が行ったウェブアンケートで、「この罰則に賛成」と答えたのは37%。なんと63%もの人が「反対」と回答した。”罰というのはあくまでも罪を犯した人に科すものだ”として多くの人々が違和感を示している。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)