米ユタ州のある小学校で、喘息のある4年生の児童が万が一の発作時のために持っていた吸入器を取り上げられ、大変な物議を醸している。しかし学校側にも言い分はあるようだ。
ユタ州ウェストジョーダンの「コロンビア小学校(Columbia Elementary)」でこのほど、4年生のエマ・ゴンザレスちゃんが持っていた喘息発作用吸入器を、発作が起きているにもかかわらず保健室のスタッフが取り上げてしまったことを『FOX13 News』が伝えた。
エマちゃんはその日、教室で喘息発作に見舞われ、教師の引率のもと保健室へと急いだ。ところが吸入器を使おうとしたところ、あるスタッフにそれを取り上げられてしまった。エマちゃんの咳は徐々に激しさを増し、嘔吐でズボンを汚し、窒息しそうな苦しみを味わったという。これには「命すらかかっていること。なんと無知、なんと融通が利かない」とそのスタッフに対する批判の声が集まった。しかし…。
『FOX13 News』の取材に対し、同小学校を擁するジョーダン教育学区の広報担当サンディ・リースグラフさんは、「私たちは子供たちが使用する医薬品にとても慎重です。それが小児用で容量も正しいのかどうか、確認してからでなければ許可できません。職員にしてみればそれはマニュアル通りの行動です。またそのスタッフはエマちゃんから吸入器をとりあげたものの、モニターを着けてその呼吸状態を監視し続け、必要とあれば救急車を要請するつもりでした」と話す。問題は、医師から処方されて間もないその吸入器にエマちゃんの氏名が書かれていなかったこと、保護者がエマちゃんの健康医療についての情報を学校に知らせるための手続きを怠っていたことだという。
エマちゃんは大事には至らず下校したものの、喘息発作で呼吸が困難になっている女児に何をしてあげるべきなのか、もっと融通性が欲しいという両親。安易に薬の使用を許可できないと判断した職員。そうした不愉快で危険な行き違いを回避するためにも、今は「やはり事前の報告や手続きが重要と言わざるを得ない」との意見が多いもよう。エマちゃんの両親も、これを機に吸入器の使用許可手続きを学校に申請したという。
※ 画像はfox13now.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)