第28回東京国際映画祭のオープニング作品として上映される映画『ザ・ウォーク』。それに先駆け21日、映画『ザ・ウォーク』のロバート・ゼメキス監督とプロデューサーのジャック・ラプキー氏が来日し、記者会見が行われた。
「また再び来日できて大変光栄に思っています」と登場したロバート・ゼメキス監督とプロデューサーのジャック・ラプキー氏に、質問形式で会見はスタートした。
―ラスト20分の圧倒的な迫力と映像美、まるでその場所に居るかのようなあの体感映像を撮るのはいつから企画されていましたか?
ロバート・ゼメキス監督(以下監督):映画を最初に撮ると決めた理由でもあるのですが、原作をぜひ映像化したかったし、映像化することにとてもワクワクしました。他のアート、芸術の形では表現できないスペクタクルを映画では表現できると思います。
プロデューサー・ジャック・ラプキー氏(以下ラプキー氏):監督の方からこんな本を見つけたと言われて企画が始まりました。その本は18ページしかない子供向けの本で、主人公のフィリップ・プティが、ただワールドトレードセンターを歩いたという話だったのですが、監督が本当に熱い思いでなにか響く物語だとおっしゃっていて、監督がそういうんだからすごいものができると思いました。長らくパートナーとして仕事をしていますが、監督が“何かこれはある”とおっしゃったものは絶対に面白いものになります。
―主人公、フィリップ・プティのどのようなところに惹かれましたか?
監督:フィリップに惹かれたのはなんと言っても、彼のアーティストとしての情熱です。クリエイティブなビジョンを彼は持っていて、どうしても表現せずにはいられないんですよ。彼は(フィリップ・プティは)極端でクレイジーではあったんですが、皆に似ているところがあってそこも魅力です。
―ジョセフ・ゴードン・レヴィットを演出してみた感想はいかがでしたか?
監督:もう本当に素晴らしい役者で、肉体を上手に使うんです。ワイヤーウォークは彼が自分でやりたいと言い出したんですが、本当に役者としての気概を感じました。彼はフランス語も完璧なんです。
―ワールドトレードセンターも主人公のように思えますが、お2人のワールドトレードセンターへの思いをお聞かせください。
ラプキー氏:アメリカのアイコン的なシンボルの建物ですが、みなさんの中には9.11事件が残像として残っていると思います。そのことを思い出させるのは避けたいと思っていました。今回フィリップ・プティという1人の人間の話なのですが、ワールドトレードセンターも1つのキャラクターとして描けることに名誉と愛情をもっています。
監督:まったく同感です。フィリップ・プティはワールドトレードセンターのことを生き物のように語っていました。
―本日は、バック・トゥ・ザ・フューチャー・デーですが、これから大変な目にあう2人、マーティとブラウン博士(ドク)に何と言ってあげたいですか?
監督:まずやっぱり2015年10月21日にここに居られることを嬉しく思います。バック・トゥ・ザ・フューチャー・デーですからね! マーティ・マクフライさんとエメット・ブラウン博士(ドク)には、時空をいじるな、壊すなと伝えたいですね(笑)。
その後、監督は「映画の未来に希望を感じます。効率よく経済的に面白い作品がもっと作られていくと思っています」と映画の未来を語り、会場を後にした。
(TechinsightJapan編集部 みほりー)