米イリノイ州の裁判所で、男の受刑者が意外な理由から刑務官を訴えて大きな話題を呼んでいる。脱獄に成功したものの再逮捕となり、さらにあることからトラウマの状態に陥ったとし、刑務官にはしっかりと監視することで脱獄を阻止して欲しかったというのだ。
シカゴの『chicago.cbslocal.com』が伝えているところによれば、刑務所および刑務官を訴えたのはジョゼフ・“ホセ”・バンクスという受刑者。銀行強盗を働いて投獄されていた。訴状によれば、バンクスは一緒の雑居房に収容されていたある受刑者とともにシーツとデンタルフロス(歯間ブラシ)でロープを作り、17階建ての刑務所から外壁を伝わって脱獄に成功した。タクシーを呼んでそこからの逃走にも成功したが、数日後に再逮捕となり、現在はさらに厳しい監視下にあるという。
ところが高所恐怖症があるバンクスは脱獄の際にとんだ恐怖を味わい、現在もそのトラウマに苦しめられており、受刑者の監視義務を怠った刑務官と刑務所を相手に1000万ドルの損害賠償を請求する訴えを起こしたのであった。
ただし脱獄した受刑者に高額の賠償金が支払われることなどそもそもあり得ない。米・第七連邦高等裁判所は、職務上の義務である監視が怠慢であったことについては刑務所および刑務官の責任を厳しく追及していくことになるものの、脱獄をほう助したわけではないこと、ひどい辱めや常軌を逸した体罰を行ったわけではないことから、その訴訟自体を退けている。
※ 画像はchicago.cbslocal.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)