犬肉を食べるフェスティバルも大盛況という中国では、犬をペットとして飼うことに抵抗を抱く者、あるいは衛生面で不安を抱く者もいるもよう。このほど山東省のある町が「犬の飼育は全面的に禁止」という厳しい条例を発表した。
2007年に犬の飼育に関するある条例が公布となっていた中国・山東省の済南市。狂犬病予防接種を済ませ、役所に登録料を支払うことで交付される鑑札を付けることはもちろん、個体ごとに情報を入力したICチップを耳に埋め込むことが義務づけられたのだ。しかしその中で、Dayang New Districtという地区がこのほど住民に対し、「犬を飼うことを全面的に禁じる。現在飼育されている犬も保健所に差し出しなさい。さもなければ、こちらがそうした家庭を訪問して犬をその場で捕殺する」というまるで容赦のない新条例を発表した。
経済的に豊かになるにつれ、おしゃれな小型犬を飼うことが流行のようになっていた中国。しかし一方で毎年2000人以上の国民の命を奪う狂犬病が恐れられてきた。ところが今回のDayang地区議会の決議は、予防接種や登録を済ませた犬をも対象としているのだ。関係者によると、今回の決断は環境面で清潔な地区、また住民同士が諍いのない平和な地域を目指したいという理由だそうだ。
これまで条例を守ってきた愛犬家たちは当然ながら激怒しているが、Dayang地区議会議員は地元放送局とのインタビューで「1,000人以上いる居住者のうちの大多数がそう望んでいる」と語るなど、非常に強気の姿勢である。北京市、黒竜江、広州市などでも、これまでさまざまな取り組みや禁止条例が公布されては改定されている。モラルのある飼い主と規則などお構いなしという飼い主が混在しているだけに、犬の飼育に関しては各市町村でも様々な意見で揺れているもようだ。
※ 画像はindianexpress.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)