脱出マジックは実に命懸け、それがよくわかる事故がこのほどイギリスで起きた。ベテランマジシャンのアントニー・ブリトンが生き埋めからの脱出に失敗し、瀕死のところで救出されたことが伝えられている。
英ウェスト・ヨークシャーの「Slaithwaite Spa」で3日、血液のガンの撲滅を謳う『Leukaemia & Lymphoma Research』という医療研究団体がチャリティーイベントを開催。そこで数々の縄抜けと脱出を成功させてきたアントニー・ブリトンが生き埋めからの脱出マジックに挑戦したが、自力で脱出することが叶わず、命を落とす寸前で救急隊員に救出されたことを英メディア『examiner.co.uk』が伝えた。
ブリトンのために180cm近くまで掘られた深い穴。彼は手錠をはめられた姿でそこに埋められたが、リミットとされた9分が過ぎ、万が一に備えて控えていた救助員らが出動。ブリトンは土の中でぐったりとして意識を失っており、すぐに酸素吸入が行われて病院に搬送され、幸いなことに意識を戻している。
ブリトンは過去100年において、生き埋めからの脱出にチャレンジした3人目のマジシャン。ハリー・ハウディーニ、アラン・アランの両名も失敗していただけに、その成功はブリトンにとっては悲願であったという。それが失敗におわった原因について、彼は「土を軽くみていた。あと60cmで地上というところにおいても土の重みで身動きがとれなかった」と説明。救出されたという事実は人生最大の屈辱だとプロとしての失望感をにじませた。だが意識が薄れてきた時は、これが自分の最後のショーになると観念し始めたとのこと。「救出があと数秒遅かったら死んでいたと思う。本当に恐ろしかった」との本音も漏らしている。
※ 画像はexaminer.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)