機内に響きわたる猫の甲高い鳴き声と女の喚き声。独「コンドル航空」旅客機の機内で猫をめぐるトラブルが発生し、機長は米コロラドの空港へ緊急着陸を決断。そこで客室乗務員に暴力をふるった女の乗客が身柄を拘束された。

事件が起きたのは先月28日夕刻に米ラスベガスを発ち、ドイツ・フランクフルトに向けて飛行中だったコンドル航空DE7083便。「よくも私の可愛い猫をトイレなんかに閉じ込めたわね」と客室乗務員（以下CA）に食ってかかった飼い主の女。口論の末にそのCAを殴って通報され、機長はフライトの最中ではあったがコロラド州デンバーでの緊急着陸を要請。待機していた連邦捜査局（FBI）の職員が機内に乗り込み、女は強制的に降機を命じられたという。

デンバー国際空港の広報担当者ヒース・モントゴメリー氏が発表したところによれば、女はバッグに飼い猫を隠し持って搭乗しており、CAは「フライトの間、猫はこちらで過ごしてもらいます」と強制的にトイレに閉じ込めた。これに激怒した女が、ほかの乗客に向かって「猫を返してもらえないならこの飛行機を撃ち落としてもらう。私はマフィアに顔が利く」などと脅した。そのため戦闘機2機が発進して緊急着陸の誘導にあたったとのこと。燃料補給も行われた上で同機は再びフランクフルトに向けて飛び立ったが、フライトには当然遅れが生じた。ほかの乗客がとんだ迷惑をこうむった一方で、FBIでの事情聴取が済むと女は厳重注意のみで釈放されたという。

コンドル航空はミュンヘン国際空港およびフランクフルト国際空港をハブに世界各地に就航しているドイツのレジャー航空会社。ミネアポリス、ポートランド、ボルティモア、フォートローダーデール、ラスベガス、シアトル、アンカレッジ、カルガリー、フェアバンクス、ハリファックス、トロント、バンクーバー、ホワイトホースなど北米路線も充実している。

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（TechinsightJapan編集部　Joy横手）