「昔から伝わる治療法、おばあちゃんから聞いた」。難病のわが子をどうにかしてあげたいと願うあまり、藁にもすがる気持ちでそういう話に飛びついてしまった母親。しかし爬虫類、両生類などを食べることだけは絶対にやめるべきである。このほど中国で…。
皮膚に見たことのない小結節が現れるようになり、「深セン市児童医院」で診察を受けて緊急入院となった中国・広東省の茂名に暮らす3歳の男児。サナダムシの幼虫が体内に入り込んでいることが発覚し、それが生きたカエルを食べたことによるものであったことを『人民日報』が伝えている。
医師の診断に、「すべてはてんかんを治療するためです。家族で息子を羽交い絞めにして、捕まえてきた3匹の生きたカエルを飲み込むよう命じました。友人から教わった古くから伝わる民間療法です」と話した母親のリーさん。ところが息子の肌に複数のイボ状の小結節が現れ、弧虫症が疑われて緊急入院。胃と陰嚢からはサナダムシの幼虫の塊を摘出する処置が行われたという。
リーさんはその後、『深セン衛星放送』とのインタビューにも応じており、そこでも「近所にもそれを試して良くなったてんかんの子供がいたから、うちの子にもと思ったんです」と話した。しかし症状の改善にはつながらず、医師から「体内のどこかにまだ他の幼虫がいる可能性は十分にあり、治療は続きます」と説明され、かなり落胆している。ちなみに男児は医療機関でてんかんと診断されたわけではなく、リーさんが勝手にそう思い込んでいたことも分かっている。
今年3月、中国・雲南省からは長年激しい頭痛に苦しみ、職場で倒れて脳外科手術を受けた女性の脳から8cm長の寄生虫が見つかった話題が伝えられていた。幼い頃、祖母に健康法だと言われて生きたカエルを食べた時期があるという。虫が潜んでいる場所によって実にさまざまな症状が現れる弧虫症。サナダムシの幼虫は、芽を出し嚢を破りながら体内を移動して最長で20年もヒトの体内で生き続ける。処置が遅れれば失明や脳損害を発症することもあるという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)