さる8月23日、サッカーファン待望の伊・セリエAのリーグ戦が開幕した。中でも日本代表の本田圭佑選手が所属するACミランに注目をしている人も多いのではないだろうか。そんなACミランのサインボールが、世にも珍しいイリュージョン・ディスプレイ「Flyvision」を用いて東洋ゴム工業本社で展示されている。
ACミランは、本田選手をはじめ、メクセス選手、ヒンケル選手、デ・ヨング選手、デストロ選手、パレッタ選手など多くの人気選手が所属するチーム。そんなACミランを代表する選手たちのサインが書き込まれたサッカーボールが、ACミランのプレミアムスポンサーである東洋ゴム工業株式会社の本社・受付ロビーで公開された。
ACミランの選手の直筆サイン入りユニフォームの隣に、ショーケースに入ったサインボールが展示されている。なんとこのサインボール、宙に浮いているように見えるのだ。上から見ても、下から見ても仕掛けらしきものがまったく見当たらない。この驚くべき光景に、受付ロビーを通る来客や社員たちも足を止め、不思議そうな顔でショーケースをのぞき込んでいる。
実はこれ、「Flyvision」という新技術が使われている。ハンガリーの企業が開発した「Flyvision」は、ショーケースという小宇宙をゼロ・グラビティ(無重力)に変えるイリュージョン・ディスプレイ。2012年のバーセル国際時計・宝飾品見本市では、Hublot(ウブロ)のブースをはじめとして多数の著名ブランドが採用した。日本では、この東洋ゴム工業本社にあるもので2例目となり、とても貴重な展示物になる。
しかし、どんな仕掛けになっているのかはわからないまま。この謎に迫るべく、施行業者である乃村工藝社株式会社の担当者に話をうかがってみた。だがかえってきたのは「ACミランのプロフェッショナルな力を集めて浮かせています」「念力で回すこともできるんですよ。応援する気持ちを集めて」という答え。なぜ浮いているのかは企業秘密なのだ。
さらに「このディスプレイのケースが割れても浮いたままです」と明かし、謎は深まるばかり。まさに真相も「宙に浮いたまま」というわけだ。
(TechinsightJapan編集部 七海香)