身分が高い既婚女性と駆け落ちをし、村の人々を激怒させた兄。その制裁だとして、村議会が「彼の2人の妹を全裸にする。性的暴行もよし」という恐ろしい処罰を決めた。問題の解決に世界的な人権擁護団体が動き始めたもようだ。
インドのニューデリーに近いウッタル・プラデーシュ州のバパット(Baghpat)という村で、自分より上の立場にある「ドミナント(支配的)カースト」の既婚女性と恋におち、駆け落ちしていた男性。その制裁をめぐり村議会が先月30日に驚くような案を打ち出していたことが明らかになった。世界最大の国際人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」の報告をもとに、アイルランドのメディア『independent.ie』が報じている。
男所帯だという村議会によるその審議。駆け落ちした男性の家族は罰を恐れて5月に村から逃亡していたが、彼らは駆け落ちした本人ではなく、妹であるミーナクシさん(23)と15歳の妹に興味を示した。「犯罪者の身代わりとしてその顔を黒く塗り、全裸にして村中を歩かせる。強姦してもよし」と決め、それは兄の犯した反道徳的行動へのふさわしい処罰であると示されたという。
いまなお逃亡中であるミーナクシさんは、この告知について最高裁判所に身柄を保護するよう陳情。父親も既婚女性の家族と警察に嫌がらせをうけていると複数の人権擁護団体に相談したことから、「アムネスティ~」は村議会に抗議し、警察の介入を求める署名活動へ。公正な選挙ではなく、一部の利権者だけで構成されているインドの村議会にありがちな暴挙だとして強く批判した。なお、兄と駆け落ちした相手の女性は妊娠している可能性が高く、そちらについても親族が“名誉殺人”の名のもと命を奪いかねないと心配されている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)