どこの市町村も悩みの種になっているゴミ屋敷、そして収集したものの管理がずさんなリサイクル企業の存在も問題になっている。近隣住民の精神的、肉体的苦痛は並大抵ではない。今、英ケント州では2万トンものゴミの山が話題を集めている。

このほど英メディア『express.co.uk』が、ロンドンの南東に位置するケント州ブロムリーに出来上がった高いゴミの山の話題を伝え、あまりのひどさに人々はただ呆気にとられている。高さ12メートルのゴミの山から漂ってくる臭気は有毒物質、アレルギー物質を含んでいるとみえ、近隣住民はぜんそく、アレルギー、吐き気、嘔吐などに苦しめられてきた。また大変な数のハエとネズミに、庭で紅茶を飲むことも窓を開けることもできなかったという。

美しい住宅が5軒ほど立ち並ぶ、ブロムリーのコンウォール・ドライブという袋小路の1番奥に位置するその現場。ここをリース契約で使用していたのは「Waste4Fuel」というリサイクル企業で、ゴミは産業廃棄物から家庭ゴミまで雑多で約4年分だという。しかしプラスチックが燃える異臭とともに黒い煙が自然とくすぶるようになったことから昨年には環境食糧省環境局（EA）に訴えられ、有罪判決が下ったものの「Waste4Fuel」はゴミの撤去に動くこともなく全てを放棄してしまった。

これに不安になった近隣住民が今年3月から撤去の陳情を続け、火事の危険もあることからEAもしぶしぶ重い腰を上げた次第である。だがゴミの重量が2万トンにものぼり当事者がドロンという現状に、撤去活動のペースはあまり上がっていないもようだ。ちなみにイギリスではゴミ由来のバイオ燃料でバスが走るなど、ゴミのリサイクル活動が非常に盛んである。

※　画像はexpress.co.ukのスクリーンショット。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）