過激派組織「イスラム国」の暗躍の舞台となり、芳しいニュースから非常に縁遠くなっていたシリアとトルコの国境地帯。心優しい人々のおかけで、ここから久しぶりにハートウォーミングな話題が飛び込んで来た。
この画像(twitter.com/kimseyokmuのスクリーンショット)の新郎・新婦は、シリアのアレッポに近いトルコ南中部の都市、キリスに暮らすFethullah UzumcuogluさんとEsra Polatさんである。2人は結婚式という晴れの舞台に、国境沿いの難民キャンプに暮らす大変な数のシリア難民を招き、彼らとともに人生の喜びを分かち合ったそうだ。
伝統的な方法にのっとり3日間にわたって挙式から披露宴までが行われ、最終日の夜にそのパーティはクライマックスを迎えた。大きな会場には美味しい食べ物がめいっぱい並び、そこに押し寄せた難民の数はなんと4,000名。新郎新婦がそれまでに貯めたお金はこの日ですべて使いきってしまったという。
この結婚式を挙げるにあたり、「イスラム国」による襲撃の不安に怯え、飢えや病と闘いながらキャンプに暮らしている難民たちにも自分たちの幸せを分けてあげたかったという新郎。そんな彼に父親のAli Uzumcuogluさんが式への招待を提案し、Esraさんは親子のその優しさと熱意に心打たれて同意した。「難民のみなさんこそおいしい食事を最も必要としているのです。喜んで頂ければ私もとても幸せです」と彼女は嬉しそうに挨拶したという。
クルド人部隊と「イスラム国」が戦闘を繰り広げているようなトルコとシリアの国境沿いではシリアからの難民が増える一方で、1日に数千人がフェンスに押し寄せて蹴破ろうとするほど深刻な事態と化していた。今年の6月にはトルコ政府が「これ以上の流入は受け入れ難い」として国境の封鎖へ。またトルコとの国境にあるシリアのテルアビヤドをクルド人組織「民主統一党」が制圧したことで、トルコ政府は「イスラム国」ばかりかクルド人勢力も脅威となり、政策を転換して米軍と強固に手を組むことに。トルコの基地を使用してのシリア空爆は一層激化するものとみられている。
※ 画像はtwitter.com/kimseyokmuのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)