南アフリカ・ケープタウンの公立校に赤ちゃん人形が配布されることとなった。これらの人形は健康体のものの他に、薬物乱用の影響で産まれた赤ちゃん、胎児性アルコール症候群の赤ちゃん、そして新生児を激しく揺することで脳出血性疾患を伴う「揺さぶられっ子症候群」の赤ちゃんなど様々な虐待を想定して特別に作られたものである。
ケープタウン市は今年の初めに6校を対象に試験的運用を行い、グレード7(中学1年生)の生徒120名が胎児性アルコール症候群の赤ちゃん人形と放課後を利用して触れ合った。この人形、虐待されると実際に泣き動くのだ。赤ちゃんの扱い方を学ぶのはもちろん、アルコール依存の親から産まれた赤ちゃんと健康な赤ちゃんとを比べ、そのリスクを理解してもらうのが目的である。この試験的運用の結果を踏まえ、疑似人形の使用拡大に踏み切った。
ケープタウン市社会開発および幼児期発達委員会によると、すでに疑似人形は製造過程であり、ケープタウン公立校の学区ごとに届けられる予定だ。「疑似人形は、生徒らに実際に起きている真実を理解してもらう非常に大切な学習ツールである」とのこと。
南アフリカでは特に貧困層において両親のアルコール依存、薬物依存が著しい。また昨年末までに妊娠した女子生徒が西ケープ州だけで2500人以上いた。しかもそのうちの78人は小学生だったのだ。
ケープタウン市では、薬物依存や虐待などによって新生児に与える影響を子供の頃から認識してもらい、性行為に対する考え方を変えてもらいたいと述べている。
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(TechinsightJapan編集部 FLYNN)