中国のショッピングモールで続いているエスカレーター事故。昇り切ったところの踏み板が落下し、子連れの母親が回転軸に吸い込まれて死亡するという事故が湖北省で26日に発生していたが、1歳児が重傷を負う事故も起きていたもようだ。
『中国中央電視台』などが伝えているところによると、広西チワン族自治区の梧州市にある「サン・スクエア・モール」というショッピングモールの、ある下りエスカレーターで1歳の男児(名前などは明らかにされず)がつまずき転倒。ステップの溝に手を着いたところ、指から左腕までを乗降口の“クシ”部分に吸い込まれる事故に見舞われたという。
通報によりレスキュー隊が駆けつけ、バールや油圧式拡張プライヤーでステップとクシの間に隙間を作って男児を救出したが、手指は血まみれで黒ずみ、腕にもひどいダメージを負って梧州赤十字病院に搬送された。目撃者は当時男児と一緒にいた祖母の不行き届きを指摘しており、モール側は幼い子のエスカレーター付近での遊びに気をつけ、乗る際はしっかりと手をつなぐよう保護者らに呼びかけている。
ステップの“クリート”という溝に何かが挟まれば、それはやがて乗降口の“クシ”と呼ばれる部分に吸いこまれる。指ばかりかスカートやズボンのすそ、サンダル、マフラーなども巻き込まれやすい。こうした事故をきっかけに、従業員ばかりか利用者もエスカレーターの構造を知り、乗降口にある「非常ボタン」の位置を知ることが強く求められるであろう。
なお、26日に湖北省で起きたエスカレーター事故では踏み板のボルトが緩んでいたことが判明したが、少し前からブカブカするようになっていたその踏み板に従業員らの間で「ここは危険」との認識があったこともその後の調べで分かってきた。また監視カメラの映像では、その場に2名の従業員が居合わせながら非常ボタンは即座に押されていない。裁判沙汰になればこの2つの点が大きな争点となるものとみられている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)